特集
Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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高校教員・保護者が必要とする情報
ニーズの高い学習目標・成果の情報

 教育情報の主な受け手である高校教員や保護者は、どのような情報を必要としているのか。
 図表2は、高校教員と保護者に対し、適切な進学先選びを支援するうえでどのような情報を必要としているか、4段階評価で聞いた結果である。

※図をクリックすると拡大します。 図表2:高校教員と保護者が必要としている大学からの情報

 高校教員で2項目、保護者で3項目以外は、「必要」(「大いに必要」「まあ必要」)が半数以上を占めた。生徒・子どもの入学する大学を選ぶ側としては、大学については何でも知りたいという心情がうかがえる。
 「大いに必要」で上位に挙がっている項目は、高校教員と保護者とでほぼ同じである。「入試科目の内容や合格要件」などの入試に関する情報と、「毎年度の卒業後の就職先・進学先」「毎年度の卒業後の就職率・進学率」などの進路情報に、大きな関心が寄せられている。
 また、保護者は、「学費や納付方法」「奨学金」といったお金に関する情報への関心も高い。同調査で高校生と保護者に「大学選択で重視すること」を聞いたところ、「専攻したい学問分野があること」(保護者77.1%、高校生68.2%)が最も高かった。次いで高校生は「入試難易度が自分に合っている」(51.5%)、保護者は「授業料が過度の負担にならない」(52.3%)であった。近年の経済状況の影響による家計の悪化で、教育費の工面が厳しい家庭の現状がうかがえる。また、こうした保護者の声が高校教員へ伝わり、高校教員にとっても学費や奨学金に関する情報の必要度が高くなっているものと推測できる。
 「資格や免許の合格実績」「育成を目指す具体的な能力」の情報はどちらも、高校教員、保護者ともに9割ほどが必要と答え、教育成果に対する関心の高さがうかがえる。
 すでに説明したように、「ディプロマ・ポリシー」「学生の学習成果に関する情報」の公開を予定、または検討するという大学は多く、高校教員や保護者のニーズへの対応が進みそうだ。


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