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Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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高校教員・保護者が不足と感じる情報
教員は就職率以上に就職先情報に不足感

  高校教員と保護者が不足していると感じている情報を、図表3に示した。図表2で見たとおり、必要とする情報の順位は高校教員と保護者とでほぼ同じであったが、ここでは両者に違いが見られる。

※図をクリックすると拡大します。 図表3:高校教員・保護者が大学からの情報発信で不足していると思う情報

 高校教員が最も不足していると感じる情報は、「退学者数・休学者数」である。図表1で示したとおり、「退学者数・休学者数に関する情報」を「現在公開している」との回答が1割であることを考えると、この結果は当然といえる。図表2を見ても、高校教員の4人に3人はこの情報を必要としている。図表1で「今後新たに公開する予定もない」との回答が4割あったが、高校教員が不足していると感じている以上、情報の公表を検討するに値するのではないか。
 次に多かったのは、「大学に対する企業からの評価」「毎年度の卒業後の就職先・進学先」である。この2項目は、保護者が不足していると感じている上位2項目でもある。就職率や進学率といった「数値」よりも、どこに就職し、そこでどう評価されているかを公開してほしいと考えているようだ。
 高校教員では、「大学に対する学生からの評価」も不足しているとの声が多い。企業からの評価だけでなく、実際に教育を受けている学生からの評価も知りたいのだろう。
 図表1を見ると、「大学に対する各種の点検・評価結果に関する情報」は63.2%が公開し、今後公開を予定・検討中という回答も20.6%あった。しかし、高校教員は第三者評価機関ではなく、学生や企業の評価を必要としているようだ。
 保護者が不足に感じる情報では、「奨学金」「学費や納付方法」が上位にある。この2項目は、図表2に示したとおり、必要としている情報でも上位にある。大学案内やウェブサイトで十分に公表している情報と思われるが、保護者は必要であるにもかかわらず不足と感じている。保護者に確実に伝わるような公表のしかたを工夫すべきといえそうだ。


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