はじめに述べたとおり、就職情報について高校教員や保護者の関心は高い。なるべく詳しく就職先について知りたいという要望に対し、大学は十分に応えられていないようだ。就職情報の大本は、卒業生からの進路報告である。卒業生一人ひとりの進路をきちんと把握する体制を整え、実態を正確に伝えるように努めるべきだろう。
調査では、就職情報が掲載されたページにたどり着くのに苦労した大学もある。高校教員、保護者が見つけやすいよう、トップページからすぐにたどれるようにすべきである。また、全学で公表する内容を決め、就職率の算出方法、情報の集計時点なども統一する必要がある。学部別、学科別など、学問ごとの適切な単位でまとめて公表すれば、教育の特色を裏付ける情報となるはずだ。
現状1で紹介した調査結果から推測すると、高校教員や保護者が就職情報に関心の高い理由は、学生が大学4年間の学びでどのような力を付け、それが社会でどのように評価されるのかに関心があるからだろう。卒業生調査による仕事における大学教育の役立ち度、企業調査による卒業生への評価についても、情報としてのニーズが高いと考えられる。 |