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Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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大学説明会や高校訪問で信頼性はさらに向上

 『DATA BOOK』の主な読者は、高校教員、高校生、保護者など。高校生に対しては、大学が発信している情報の中から興味のあるものを見つけてもらいたいというスタンスだ。「文字やデータが多いと、高校生は読まないのではないかという声もあるが、それは偏見だ。高校生は自分に必要なデータや興味のある文章には敏感」と、山下部長は言う。
 教員に対しては「高校教員のためのオープンキャンパス」と位置付けた大学説明会を開催。『DATA BOOK』に載っている膨大な情報の中から、特に伝えたいデータを取り上げ、聖学院大学の素顔を伝える工夫をしている。2010年6月の説明会では、2009年度卒業生の進路決定状況である「進路率59.7%」のデータをわかりやすく伝えた。文部科学省の学校基本調査で、大卒者の就職率が60.8%と発表されるよりも早かったため、来場した教員は相当驚いたというが、就職・進学希望者ではなく、全学生数に対する進路決定者の割合を正直に公表したことにより、かえって信頼は高まったという。
 6人の広報企画部スタッフが全国の高校を訪問し、必要な情報を伝えるほか、高校からの要望も聞き取る。退学者数や就職先の企業名、センター試験を導入しない理由などの公表は、高校教員の要望をふまえて取り入れられたものだ。
 大学を取り巻く情報の受け手からのフィードバックが、『DATA BOOK』の改善につながっている。山下部長は、「開学以来、一度も定員割れを起こしていないのも、大学のあるがままの姿を公表し続けたから」と強調する。


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