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 面談指導

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効果的な取り組みのための手順とポイント5

面談指導

生徒の資質、希望に添った面談指導のために

 生徒の資質が変化していると言われて久しい。また、進路の多様化も進んでいる。以前のように、全体指導だけで生徒を方向付けるのは難しくなり、生徒の資質や希望、状況に沿った指導が求められている。個別指導の重要性は益々高まっており、その一つである面談の持つ役割も大きい。3年間を通して、どの時期にどんな面談をすると効果的なのか、面談指導のステップと留意点を検討する。


面談の目的と意義
教師の生徒理解と生徒の自己理解のための面談を

 面談は、第一に教師が生徒を理解する場である。特に、生徒の学習や進路に関する意識の多様化が進み、何を目指し、何を大切と考えて生活しているかという価値観も多様な現状では、全体指導のみで生徒集団を一つの方向に動かすことは難しい。集団指導から抜け落ちてしまう生徒は、面談などの個別指導で心の中に入っていかないと、彼らが何を考え、どうしたいのかが分かりにくく、生徒を動かす指導も難しいようだ。
 さらに、大学入試制度が複雑になり、全体指導だけでは生徒のニーズに対応できないことも、面談の重要性を高めている。
 また、今年度から中学校では新課程への移行措置として「総合的な学習の時間」の実施が可能となっており、'03年度の新入生を待たずして、次年度からも中学校でまちまちのテーマを学習した生徒を高校に迎えることになる。それゆえ高校生活スタートの段階で今までと異なる生徒像をきちんと把握するためにも、面談は今まで以上に大切になると予想される。
 第二に、面談は生徒が自分自身を理解する場でもある。生徒が教師と話し、アドバイスを受けることで、自分自身が何を望んでいるのか、気付くきっかけとなるような面談にしたい。
 面談は、わざわざそのための時間を設けなくても行える。掃除のときや授業後など、ちょっとした場面で生徒とコミュニケーションを図る、それも面談の一つの形である。たとえ短時間でもそうした機会を作って、多くの生徒と接するようにしたい。そのとき、生徒の様子に変化を感じたら、後で個別にじっくり話をする場を設けてもよい。生徒が別段問題を抱えていなくても、気軽に話ができる信頼関係を作っておくことは大切だ。

面談を行う際の教師の悩み
  • 面談をスムーズに進めるためにはどうすればよいか。
  • どの時期にどんな面談を行えば、指導に役立つだろうか。
  • 三者面談で保護者ばかりが話して困る。

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