VIEW21 2002.2  IT Introduction 情報技術が学校をどう変えるのか

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授業の密度を高めるIT活用

茗溪学園中学校高校
授業での成功例をつくり
ITの利点を校内にアピール

 中高一貫教育を行っている茨城県の茗溪学園中学校高校は、「茗溪IT革命」と銘打ち、学校ぐるみでのIT活用に取り組み始めた。教材づくりや授業の活性化のために、ITを積極的に活用している同校。今回は、ITの活用が学校全体に広まるまでの過程と、各教科での具体的なIT活用法についてお話をうかがった。


 茗溪学園中学校高校は、'79年の創立当時からパソコンを導入するなど、IT化に力を入れてきた。
 初めの頃は、成績処理でパソコンの性能が発揮され、各教科・科目の先生単位で成績を入力するようになった。また、生徒の各種行事計画やその報告書等がこの時代から全てパソコンを利用して作成されるなど、パソコンを道具として利用するのが徐々に日常化した。
 さらに、'89年に校内LANが完成し、職員室や教科室にネットワークが敷設され、どこでも成績処理をしたり、各種文書を共有することができるようになった。教務事務はその利便性が大きいが、授業利用としてはまだコンテンツに乏しく、なかなか利用が普及しなかった。しかし、近年、急速なIT化・ネットワーク化に伴い、ITを積極的に授業にも利用したいという声が高まり、学校全体の取り組みにする必要があると判断した。
 そして、同校の情報教育部のメンバーが発起人となって「茗溪IT革命」を起こしたのが'01年度のこと。情報教育部は、IT機器の導入を検討したり、コンピュータの操作などについて教師をサポートする分掌であり、中学校及び高校からそれぞれ選抜された10人の教師で組織されている。そのリーダーを務めるのが大竹隆夫先生だ。
 「我が校には、ITを学校教育に活かすためのベースは十分ある。一部の教師のみが活用するだけでは意味がないと常々考えていました。現在はパソコンの性能も向上し、機械が苦手な方でも気軽に活用できるようになりました。学校の方針としてもIT教育、国際理解教育を重視していこうという気運がありましたから、『IT革命』を起こすなら今だと思ったのです」(大竹先生)

写真
英語の授業で用いられた、インターネット上のテキスト。ビジュアル資料を多用することで生徒の理解を促す。また、隣の生徒と意見を交換しながら、授業の理解を深めていけるような工夫もされている。



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