VIEW21 2002.2  点から線の教育へ 中・高・大接続の深化形

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「総合学習」で培われる「生きる力」の4領域

 学校が「総合学習」の内容を検討する際に非常に悩むのは、「生きる力を育てる」とは具体的にどのような力を育成することなのかが今一つはっきりとしないことにあるようだ。
 「新しい学力を育む研究会」では、「生きる力」を大きく4領域に整理した(表1)。領域1は「態度・価値観」、領域2は「能力・スキル」、領域3は「社会への適応力」、そして領域4が「自己成長力」である。同時に、それぞれの領域を代表する力を整理し、40の「生きる力」自己評価項目も作成している(表2)。これにより、生徒一人ひとりが自らの「生きる力」をどのように捉えているかを知ることができる。田中助教授は「この4つの領域と40の自己評価項目は小・中学校向けに作成したものですが、現在作成中の高校生版『生きる力』でも、ほぼ同じ項目が挙がっています」と言う。
 今回の調査では、「総合学習」を先行実施している小学校と、そうではない小学校とで、明らかに生徒の「生きる力」の自己評価に格差が見られた。また、すべての領域において先行実施校の生徒の方が、「生きる力」の自己評価が高くなっていることも分かった(図1)。「総合学習」は「生きる力」の育成に、確かな効果を上げていると言えるだろう。

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