VIEW21 2002.10  点から線の教育へ 中・高・大接続の深化形

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【1】中高接続

(1)取り組みの実施状況
入学前→「学校説明会」「HPでの広報」
入学後→「実態把握調査」「初期指導」

 各校における「中高接続」の取り組みのうち、現状で実施率が高いのは、入学前に中学生及び保護者へ「学校説明会・体験入学」や「ホームページ」で、自校の情報を発信することと、新入生の「実態把握調査」「初期指導」である(図1)。
 また、公立・私立高校間で実施状況の差が大きかったのは「中・高教師による共同研究」。今回の調査では、完全な中高一貫校(高校での募集なし)は対象外としたが、高校での募集を実施している私立高校では、併設中学の教師と連携した取り組みが行われている。
 新入生の「実態把握」の調査項目のメインは、「進路希望」と「家庭での教科別の学習時間」「家庭での勉強の仕方」等の家庭学習状況に関するもの(図3)。「週5日制」の影響か「土日の過ごし方」の調査状況では、公私の差が大きくついた。また、公立高校は学習面での行動実態把握が中心であるのに対し、私立高校では「高校生活に対する抱負」など生徒の意識面を問う項目の割合がやや高いように見受けられた。
 公私共に、教科別の学力テストを実態把握の一環として実施する割合が、6割近くを占めている。

(2)今後力を入れたい取り組み
今後は「教科指導」での中高接続も重視

 先の「実施状況」の各項目について、現在の取り組みの有無にかかわらず、今後特に力を入れていきたいものを選択していただいた結果が図2である。図1と比較すると、「教科指導」に関する項目が、現状の実施率はあまり高くないが、今後は重視していきたい項目であることが分かる。公私別では、公立高校が、新入生に対する「授業の進め方」「指導方法」の研究を重視しているのに対し、私立高校は進路指導も含む「6年間の指導計画」を重視している。

図


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