VIEW21 2002.12  創造する 総合的な学習の時間

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生徒の主体性をいかに引き出すか

A:活動前の仕掛けづくり(活動タイプごとの工夫点)

 生徒の主体性を引き出すために、どのような活動場面において、どういった工夫をすることが効果的かという点は、現在まさに「総合学習」を企画中の先生方にとって関心の高いテーマであると思われる。そこで、これまでの取材校から、活動形態ごとに主体性を引き出すための仕掛けを抽出してみたのが図1である。
 活動の目的やねらいをよく把握させた上で、「生徒自身にプランニングさせる」「生徒同士の学び合いの場をつくる」など、いくつかのポイントがうかがえるが、特にどの実践校においても重視されていた点が、「最終まとめの場をつくる」ことだ。どの活動形態においても、発表会の実施や論文集の作成等で、必ず学習してきたことを表出する場を設定することが、生徒同士が刺激し合う場を提供することになると共に、活動の着地点の具体的なイメージを与えることで、生徒の自主的な活動を高めていくことに効果的なようだ。

図1 事例校の活動内容の概要
テーマ学習(イベント形式)…国際交流ワークショップ
石川県立金沢西高校の事例(2002年6月号掲載)
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進路学習(体験学習形式)…職場体験
青森県立弘前中央高校の事例(2001年10月号掲載)
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小論文学習(系統班別学習形式)…自由課題小論文
佐賀県立武雄高校の事例(2002年4月号掲載)
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B:活動後の軌道修正
(「生徒の主体性」を重視して活動を深化させていく)

 Aで取り上げた視点が、活動前に準備できる仕掛けであるとすると、もう一方で、実際の生徒の取り組みの様子を見て、さらに「主体性」を高める仕組みを検討していくことも必要だろう。そこで、01年2月02年9月と2度に渡って取り上げた長崎県立上五島高校の事例を基に、活動改善のプロセスを追ってみたい (図2参照)。

図2 長崎県立上五島高校の活動改善プロセス
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