ベネッセ教育総合研究所
指導変革の軌跡 富山県立富山南高校「進路学習」
富山県立 富山南高校

富山県立 富山南高校
2004年に創立30周年を迎える。「自ら学び 思い 律する」を校訓とし、主体的な学習態度の育成を目指す。国際コースを設置するなど、国際理解の涵養にも力を入れており、03年4月にはSELHiの指定も受けている。設立●1974年(昭和49年)
形態●共学
生徒数(一学年)●約200名
04年度入試実績●国公立大には京都大、東京外国語大、筑波大、新潟大、富山大、金沢大、信州大、名古屋工大など72名。私立大には法政大、明治大、早稲田大、青山学院大、金沢工大、関西大、立命館大など延べ179
名。
住所●富山市布市98
電話●076(429)1822
URL●
http://www.tym.ed.jp/sc338/

小野田 裕司

富山県立富山南高校校長
小野田 裕司
Onoda Yuji
教職歴34年目。同校に赴任して1年目。「当たり前のことを当たり前にできる生徒に育ってほしいですね」

土肥 久義

富山県立富山南高校
土肥 久義
Doi Hisayoshi
教職歴27年目。同校に赴任して3年目。進路指導主事。数学担当。「生徒には後悔しないよう3年間を過ごしてほしい」

尾崎 秀一

富山県立富山南高校
尾崎 秀一
Ozaki Shuichi
教職歴23年目。同校に赴任して12年目。3学年主任。理科・生物担当。「落ち着いて勉強できる環境を作りたいですね」

仲井 美喜子

富山県立富山南高校
仲井 美喜子
Nakai Mikiko
教職歴18年目。同校に赴任して4年目。研修部長。SELHi担当。「生徒の素質を伸ばすと共に、私も生徒から学びたい」

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指導変革の軌跡46
そのとき教師はそして生徒はどう変わったか
富山県立 富山南高校 進路学習
将来像を描かせることで目標意識を高める「進路探訪」


 「卒業生の○○が進学先の大学を中退したそうだ」
 「□□大に進学した生徒が進路を変更したらしい」
 学業不振、単位不足、勉学意欲の減退・喪失――。苦しい入学試験を乗り越え、晴れて合格を勝ち取りながら、大学入学後、半年も経たないうちに辞めていく生徒が出てくる。
 富山南高校においても、近況報告に訪れる卒業生の口から、時折、中退者の噂が伝わってくる。こうした報告を聞く度に、進路指導主事の土肥久義先生は暗い気持ちになった。
 「目を輝かして大学合格の報告に来た生徒が、夏休みには大学を辞めている、あるいはアルバイトに明け暮れて授業もさぼりがち。そんな話を聞くと、何のための進路指導だったのだろうかと空しい気持ちになります。進路指導主事として、希望する大学に合格させることもさることながら、入学後に充実した学生生活が送れるよう高校としてどう生徒に働き掛けていけばよいのかをいつも考えていました」
 中でも中退率が高いのは、工学部に進学した生徒だった。特に国立大の工学部は学科数が多く、入学時から分野が細分化されている上、学科名称からだけでは何をしているのか分からないことが多い。そのため、生徒の期待と学科内容のミスマッチが起こりやすいのである。
 「進路のミスマッチを減らすには、生徒自身に『なぜ大学に行くのか』という目標意識をはっきりと持たせなくてはいけない。そのためには生徒一人ひとりが大学・社会を肌で感じ、自分の将来像を想像できるよう促すことが必要です。そこで、大学卒業後を見据えた進路指導の一貫として始めたのが『進路探訪』でした」(土肥先生)


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