ベネッセ教育総合研究所
VIEW'S REPORT 日本・韓国・中国の高校生の英語力
GTEC for STUDENTS(英語コミュニケーション能力テスト)
日常生活場面で使用される言語材料を素材とし「READING(320点満点)・LISTENING(320点満点)・WRITING(160点満点)」の3技能を800点満点の絶対評価スコアで測定。
Grade1〜6の6段階の習熟度別グレードにより学力層を分類し分析を行うことができる。
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Part1
日・韓・中のスキル別英語力比較


ライティングの力が高い日本の高校生
○調査標本母体について
 (1)学校全体として4年制大学への進学を目指す指導を行っている高校であること
 (2)対象となる生徒の学年は高校1・2年生で、原則的に校内の学年全体での一斉受検であること
この二点を各国共通の母集団選定条件とし、今回の調査を実施した(以下紹介するデータは、あくまでも今回調査を行なった学校群での結果であり、各国の一般的な英語力を証明するものではない)。
○成績概況
 3技能のトータルスコアの構成比の比較から各国の英語力の特徴が見て取れる(図2)。
図2
(注)棒グラフ内の数値は、GTEC for STUDENTSの絶対評価スコアを示す
【日本】3か国の中では、ライティングのスコアの比率が最も高く、これを強みとしている生徒が多い。
【韓国】3か国の中では、構成比の中でリーディング、リスニングのスコアの比率が高く、これらを強みとしている高校生が多い。
【中国】構成比を見ると、3か国の中では、3技能(リーディング、リスニング、ライティング)のバランスが最も良く、技能の偏りが日本や韓国に比べて少ない。
 更に、学年ごとの傾向を分析した。
○1年生
【日本】リーディングとリスニング共に下位層が多い。ただし、ライティングは平均してスコアが高く、書く力を持つ生徒が多い。
【韓国】リーディングが得意な上位層も多い反面、下位層も多い。また、リスニングやライティングを苦手とする下位層が多い。
【中国】リスニングは下位層が多い。しかし、リーディングとライティングは、全体として、平均的な学力を持った生徒が多い。
○2年生
【日本】1年生と比べると、リスニングやライティングの力に大きな変化は見られない。リーディングは下位層が減り、中上位層が増加。
【韓国】1年生と比べると、リスニングやライティングの力に大きな変化は見られない。一方、リーディングは下位層が減少している。
【中国】リーディング力は若干伸びているものの、全体として、3技能の力に大きな変化はない。


リスニング・ライティングの強化が課題
 各国共通して1年生と2年生の間ではっきりした伸びが見られるのはリーディングの力であった。その一方、リスニングやライティングの力は1・2年生の差はほぼ横ばいであった。各国における大学入試の出題傾向と高校での指導の兼ね合いによる影響が大きいと想像されるが、リスニングでは習熟度の低い層の多さが、ライティングでは今の力をさらに伸ばす工夫が各国共通の課題ではないかと考えられる。


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