ベネッセ教育総合研究所
特集 学力多層化への対応
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小中高連携や上位層対策など新しい展開も
 更に、04年度からは小・中学校との連携をスタートさせ、高校での授業を小・中学校の教師に見学してもらう取り組みも始まった。生徒が高校に入学してくるまでに身に付けた学力や、学んできた内容を把握するには、中学校との情報交換が不可欠というのが理由だ。こうした取り組みを一歩一歩深めながら、自主的に学べる生徒の育成と、それを支える教員組織のレベルアップを図っているのである。
 最後に平山先生は、今後の課題を次のように語ってくれた。
 「現在までのところ、本校の取り組みは下位層への手立てが中心ですが、今後は上位層に対する手立ても必要だと思っています。模試偏差値50台後半の生徒を、いかに60台前半にまで持っていくか。本人たちは十分に伸びる潜在能力を持っているのですが、地方の高校ということもあって、のんびりしている。3年生になってから頑張り始めても、伸び切らないうちに大学入試を迎えてしまう。教師はどうしても下位層の生徒のケアにばかり目がいきがちですが、上位者を伸長させるためのサポート体制も充実させていくつもりです」
 生徒の実態を把握し、気質・学力に応じた指導を粘り強く続ける川内高校。自学自習力の養成に向けたきめ細かい指導の継続が、下位層への有効な対策の一つになることを、改めて確認できるのではないだろうか。


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