ベネッセ教育総合研究所
シラバスの活用 教師の目線合わせにシラバスを生かす

●静岡県立富士高校
1923年(大正12年)設立。普通科、理数科を設置する男女共学校。04年度入試では東京大5名、東北大8名、名古屋大8名など国公立大に196名、早稲田大、慶応大など私立大に延べ555名が合格。
URL:http://www.shizuoka-c.ed.jp/fuji-h/

川口洋二
静岡県立富士高校
川口洋二
Kawaguchi Yoji
教職歴22年目。同校に赴任して9年目。数学担当。進路指導主事。「自分を包み隠すことなく生徒に向き合いたい」
嶋照生
静岡県立富士高校
嶋照生
Shima Teruo
教職歴22年目。同校に赴任して11年目。数学担当。3学年進路担当。「こちらが本気でなければ生徒はついてこない!」
小久保聖一
静岡県立富士高校
小久保聖一
Kokubo Seiichi
教職歴28年目。同校に赴任して8年目。化学担当。教務主任。「世界を視野に入れられる大きな視野の生徒を育てたい」
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事例1 静岡県立富士高校
シラバスを支えるハード・ソフト両面の工夫
シラバス作成の大きな目的の一つが、学年、あるいは学校としての指導の目線合わせにあることは間違いない。しかし、作成当初はともかく、継続的に記載内容に基づいた指導を実践するのはなかなか難しい。「進路シラバス」を軸に指導の目線合わせを行っている、2校の事例を参考にしたい


異動サイクルの短期化が取り組みの契機
 富士高校が、いわゆる教師向け進路シラバスに相当する『富士高進路ストーリー(以下進路ストーリー)』に基づく指導を始めたのは、およそ10年前のことだった。原案の作成を担当した嶋照生先生によると、そのきっかけは次のような危機意識であった。
 「指導の目線合わせが必要になった最大の理由は、教師の異動サイクルが短期化したことによって、指導のノウハウがうまく伝承されなくなってきたことでした。これまで口伝えで伝承されてきたノウハウを明文化し、新任教師や転入してきた教師がすぐにつかめるような工夫が必要だという意識が、教員間に高まっていたのです」
 それゆえ、同校の『進路ストーリー』は、「3年間の指導の流れが見通せるように、進路指導上必要な取り組みを漏らさず記す」というコンセプトに基づいて作成されている。実際、次ページに示したフォームを見ても、無駄を一切省いた「やることリスト」に近いものであることが分かるだろう。では、実際の運用について、以下にポイントを整理してみたい。
図1
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