ベネッセ教育総合研究所
特集 学校組織の機能活性化
松井太
広島県立尾道北高校
松井太
Matsui Futoshi
教職歴22年目。同校に赴任して11年目。進路指導部長。英語担当。「『夢を語れる人間環境』を準備することが自分の役割だと思う」
船倉功
広島県立尾道北高校
船倉功
Funakura Ko
教職歴21年目。同校に赴任して9年目。1学年主任。英語担当。「生徒が夢や希望を見つけ、かつ実現できる学びの場をつくりたい」
高田芳幸
広島県立尾道北高校
高田芳幸
Takada Yoshiyuki
教職歴18年目。同校に赴任して8年目。2学年主任。国語担当。「生徒には『青雲の志を持とう』と語りかけています」
伊藤章良
広島県立尾道北高校
伊藤章良
Ito Akiyoshi
教職歴31年目。同校に赴任して6年目。3学年主任。数学担当。「『何事にも一生懸命努力する』をモットーにしています」
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特集2 学校組織の機能活性化
明確な目標設定に基づいた組織的な指導体制の確立を目指す

組織のポテンシャルを引き出し、効果的に発揮するためには、どのような組織形態や運営手法が必要とされるのだろうか? 明確な目標設定に基づく組織運営に取り組む広島県立尾道北高校、システマティックな初期指導で全国的に知られる長崎県立島原高校の事例を紹介する。


広島県立尾道北高校
総合学科制への移行を機に組織的な指導体制の確立を目指す
 毎年150名前後の国公立大進学者が輩出する尾道北高校は、広島県有数の公立進学校として知られている(※)。

※尾道北高校の国公立大現役合格率は、39.2%(99年)→58.1%(01年)→67.0%(04年)

そんな尾道北高校が、組織的な指導体制の確立に向けて動き始めたのは、総合学科制への移行が始まった1997年度のことだった。大きな学校改革を成功させるべく、学校経営計画の策定や分掌・学年をつなぐ各種連絡会議の見直しや創設、あるいは総合学科制のメリットを生かした習熟度別授業の導入など、その取り組みは多岐に渡ったが、進路指導部長の松井太先生によると、どうやらそこには「目的集団としての学校の求心力を高める」という一貫した狙いがあったようだ。  「地域の中心的な進学校として歩んできた本校ですが、『国公立大合格』という漠然とした目的以外は、教師自らの役割に対する自覚があまり明確ではありませんでした。そのため、『実力のある生徒には東京大、京都大に積極的に目を向けさせるべきだ』と考える教師がいる一方、『生徒が行きたいと思う大学に入れればいいじゃないか』と考えている教師も少なくないような状態でした。これでは組織としての力を十分に発揮することができません。そこで、総合学科への改組を機に、その後の県全体の教育改革の中で今一度学校のミッションを明確にすると共に、ミッションに基づいた目標実現のための方策を、各分掌が責任を持って実行できるような体制づくりが始まりました。学校としての共通の目標に向かって、全教員が同じ目線で努力できるような組織・体制の確立を目指したのです」
 では、尾道北高校がどのようなプロセスで組織的な進学指導を推進しているのか。組織の機能向上という観点から整理してみたい。


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