ベネッセ教育総合研究所
指導変革の軌跡 静岡県立・榛原(はいばら)高校「広報活動」
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中学校や保護者に学校の魅力を伝える広報活動を開始
 榛原高校にとって02年度は、大きな転換期であったと言える。「3年連続の定員割れは何としても防ぐ」という菰田(こもだ)前校長の決意の下、より地域に見える形での活動を開始したからだ。
 生徒課の教師を中心に始まったのが、朝の7時40分から始業までの40分間、昇降口に立って、生徒たちに挨拶をすると共に服装指導を行うことだった。最初に参加したのは、有志の先生だけ。ところが勤務時間外にもかかわらずやがて多くの先生を巻き込むことになり、今ではすべての先生が取り組みに参加している。この朝の挨拶と服装指導が効を奏し、例えば遅刻については、03年度の年間遅刻者数は01年度の半数にまで激減した。
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「服装指導」
「この指とまれ方式」で集まった教師が始めた昇降口の服装指導。服装の乱れを正し、挨拶の習慣付けがなされると共に、実施前と比べて遅刻者数を半減させる効果もあったという。学力向上フロンティアハイスクールの指定に伴い強化した数値目標「遅刻年間半減」を目指す。
 一方、榛原高校ではこの年から、自校の魅力を積極的に地域へとアピールする戦略にも打って出る。近隣の中学校に対しては、校長と教頭による訪問活動をスタートさせた。
 「中学校訪問を通じて痛感したのは、本校がいかにこれまで地域の中学校からの情報収集を怠ってきたかということでした。定員割れについての話になったとき、中学校から『こんな事態になる以前から何度も警告してきたはず。それなのにまったく耳を傾けてくれなかったではないか』という苦言を頂いたのです」(鴻野教頭)
 鴻野教頭は、情報収集だけではなく、中学校への情報発信についても十分ではなかったと感じたという。榛原高校としては、入学してきた生徒をきちんと育て上げているという自負があった。文化祭や運動会などの学校行事にも力を入れているし、進学校として毎年一定数の生徒を難関大に送り込んでいる。にもかかわらず中学校側からは、「せっかく良い生徒を送っても、榛原高校の先生方はきちんと面倒を見てくれない」という目で見られていることが分かったからだ。
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