ベネッセ教育総合研究所
私の思い 生徒へのまなざし
野村秀明

北海道釧路湖陵高校校長
野村秀明
Nomura Hideaki
生年月日●昭和19年7月12日
出身地●北海道虻田郡京極町
趣味●釣り、水泳
座右の銘●「我以外、皆我が師なり」

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私の想い 5
生徒へのまなざし


私がかつて
北海道立教育研究所に勤務していた時に、広島大の岡東壽隆教授をはじめとする方々の「地域教育経営観」に出会った。今では当然の理論として理解されているが、当時の私には目から鱗が落ちる思いで、これからの学校経営の大切な視点だと思った。その後の中教審答申や国の施策もそうした視点から見ると理解しやすい。今の学校評議員制度もその一環である。
 学校経営が学校の内外に開かれたものでなければならないことは言うまでもないが、大事な視点は「生徒に開かれている」かどうかである。生徒に開かれたカリキュラムであれば、生徒に開かれたシラバス、授業、評価となっていく。地域に開くという場合も、常に生徒のためにという確認がなければ、イベントと化し長続きはしない。
 本校(北海道釧路湖陵高校)では、文部科学省指定の「学力向上フロンティアスクール」の一環として、昨年、中高連携を目指した二つの校内研修会を実施した。一つは、管内の中高の教務・進路指導部長等を交え、ベネッセ教育総研から新教育課程上の課題を説明していただき、活発な質疑がなされた。もう一つは、管内の中高の管理職を交え、駿台予備学校に、「我が校の挑戦を通して〜学校力の回復」と題して、まさに大所高所からの示唆に富む講演をしていただいた。これらは、学力を含む教育力の向上は地域全体でという教師の発想による企画である。今年度も新たな視点で立案している。
 更に研究指定の一環として、本校では昨年度から本校単独の大学統一説明会を実施している。道内の国公立大・私立大はもとより、道外からは早慶含む関東・関西の大学、大手予備校の参加をいただき、心から感謝申し上げたい。今年は、午前に2年生、午後に3年生対象に説明していただき、大変好評で来年も継続したい。この企画も、大学のオープンキャンパスに参加したくてもできない本校生徒に対する教師の熱い想いから生まれたものである。

研究指定の
着地点は、授業の改善にある。
そのための、各教科・科目の3か年のシラバスの作成、それに基づく授業の工夫・改善、そして、生徒による授業評価を含む評価の在り方等についての研究を深める必要がある。
 私は、普段の授業が、生徒に「知の再構築」を促すものであってほしいと思う。各科目で得られた情報が、自分の頭の中で再構築され新たな知識となった時に、「確かな学力」として定着するものと考える。また、生徒の家庭学習が、問題集中心の「他問自答」型から、参考書中心の「自問自答」型に切り替わっていくことを望んでいる。自ら「問い」を見つけ解決していく姿勢は、大学のみならず、人生における様々な課題解決につながるものとして考えるし、学校はその基礎基本を身に付けさせる場だと思うからである。



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