ベネッセ教育総合研究所
VIEW'S REPORT SELHiから英語教育の未来を探る
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小ー大の視点で英語教育を捉える
  SELHiの活動によって大学入試に対応できる英語力が身に付いているかも気になる点だ。だが、SELHiの活動を通して生徒の英語力伸長を間近に見る教師にとっては、むしろ、こうした活動が受験に向けた学習に好影響を及ぼす点が多いようだ。スピーチをするにしても原稿作成が必要であり、ディスカッションには英語の資料を読む活動が欠かせない。いずれも「読む・書く・聞く・話す」の4技能を、総合的に伸ばすことに直結している。実際、弊社「GTEC for STUDENTS」の結果を見ても、SELHi校の3か年の英語力の伸びは大きい(図1)。
図1
▲クリックすると拡大します。
 「大学側の意識変化も見逃せない」と山脇氏は指摘する。
  「近年は『仕事で使える英語力』育成に力を入れる大学も増えています。そうした教育方針の変化に伴い、英語の入試問題もよりコミュニカティブな能力が試されるものに変わりつつあります。高校・大学が相互に影響し合って、英語教育の在り方にも好影響を及ぼしていくのではないでしょうか」
  05年度から文部科学省による「英語が使える日本人」育成のための行動計画の一環として、教員の指導力強化や小学校における英語活動の支援事業も新たに動き出す。小学校、大学を含めたより大きな視点から英語教育が再構築される中で、SELHiを含め高校での英語教育の在り方が改めて検討されていくことになるだろう。
  それでは次ページから、3年間のSELHi指定を終えつつある二つの高校の事例から、高校現場で英語教育がどう変化しているのかを具体的に見ていきたい。


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