ベネッセ教育総合研究所
VIEW'S REPORT SELHiから英語教育の未来を探る
岡山県立岡山城東高校
1987年(昭和62年)創立。「国際化・情報化が進む社会で、それにふさわしい資質・知識・技能等を養うような学科の新設」を目指して開学。普通科の中に人文・理数・国際・音楽の四つの系が設けられ、生徒の希望により、2年次から各系に分かれて学ぶ。04年度入試では東京大3名、東京外国語大6名、大阪大12名、岡山大58名など国公立大234名、慶應義塾大6名、早稲田大17名、立命館大40名、関西学院大41名など延べ465名が合格。
小山敬一
岡山県立岡山城東高校
小山敬一
Koyama Keiichi
教職歴21年目。岡山城東高校に赴任して17年目。進路指導課長。「学習者の気持ちを考えた指導をしたい」
小橋雅彦
岡山県立岡山城東高校
小橋雅彦
Kobashi Masahiko
教職歴20年目。岡山城東高校に赴任して8年目。進路指導課。「一生懸命努力する過程を大切にしてほしい」
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事例2 
岡山県立岡山城東高校
全英語教師で評価基準を作成し授業改善を進める

散々の評価だった最初の規準シラバス
 岡山城東高校では、英語における発信型のコミュニケーション能力の育成を目指し、スピーキング力の強化を中心とする指導を実践してきた。岡山城東高校では1年次にすべての生徒が同じ科目を履修した後、2年次から生徒の希望によって人文、理数、国際、音楽の各系に分かれて学ぶ。例年60〜70名が選択する国際系では、以前よりディベートやスピーキングなどを取り入れた学習活動が行われていたが、今回SELHiの対象となったのは、この2・3年次の国際系の生徒たちだ。スピーキングを重視した発信型コミュニケーション能力を養うシラバスの開発と評価指標の確立が、岡山城東高校のSELHi活動の主軸に置かれたのである。
  実際、岡山城東高校の取り組みの様々な成果は、評価規準の作成を進める中で生まれたと言ってよい。だが、そこに至るまでの過程は試行錯誤の連続だったという。SELHi2年目(03年度)の1学期、各教師が担当科目の1年目の活動を基に評価規準を作成し、6月の「運営指導委員会(大学関係者、県教委、高校の3者で構成。研究開発に関する助言を行う)」に提出したが、委員の評価は散々であったという。国際系クラス担任でSELHi研究開発責任者の小橋雅彦先生は、こう振り返る。
  「今から思うと、科目の進度表に評価の観点を形式的に添付しただけのものでした。委員の方からは『城東高校で行っているどの取り組みが発信型コミュニケーション能力の育成に結び付く活動なのか、また生徒の伸びを測るための方法や評価・達成指標は何かが、この規準からは全く見えない』という指摘を受けました。何を目的に規準やシラバスを作るのか曖昧にしていたことを、委員の方からの叱責で強く認識させられました」(小橋先生)



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