ベネッセ教育総合研究所
VIEW'S REPORT SELHiから英語教育の未来を探る
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2か月で全科目の評価規準を作成
 運営指導委員会の後、教師たちが行ったのは、「発信型コミュニケーション能力の育成に繋がる取り組みとは何か」を洗い出す作業だった。12名の外国語科教師全員が、担当科目で何を行ったか、効果の高い学習活動は何だったかを振り返っていった。更に、洗い出された学習活動をどう分類し、科目間の整合性をどう取ればよいかを全員ですり合わせ、ほぼ2か月で評価規準シラバスを作り上げたのである。なぜこれほど早く対応できたのか、進路指導課長で同じくSELHi研究開発責任者である小山敬一先生は次のように述べる。
  「実は、似たようなご指摘はその半年前にも頂いたのですが、そのときは指摘の意味をよく理解できませんでした。しかし、分からないなりに、外国語科の教師全員で絶対評価や観点別評価に関する講習会へ参加したり、校内でシラバスの研修会を開いていました。だからこそ、6月の運営指導委員会で何が問題視されているのか、きちんと受け止めることができたと思います。達成目標を明確にした上で、スピーチやディスカッションなどの学習活動をベースに組み立てるといった、目指すべき評価規準のイメージがすぐに共有できました」
  こうしてでき上がったのが図1の評価規準だ。卒業時の達成目標を基に、各学年・科目の年間目標と評価の観点が示されている。各科目については、学習活動ごとに目標と評価規準が設けられており、目標→学習活動→評価規準の関係が一目で分かるようになっている。
▼図1 岡山城東高校 学習活動と評価基準例(オーラル・コミュニケーションIより抜粋)
図1
▲クリックすると拡大します。
 更に、この規準が実際の授業に適合しているかどうかを検証するために活用するのが、科目ごとに毎時の授業に向けて作成される「学習指導案」(図2)だ。
▼図2 学習指導案(オーラル・コミュニケーションI)
図2
▲クリックすると拡大します。
当該授業の流れが評価の観点や評価規準と共に示される。分刻みの詳細な指導案を作成し、その指導案に沿って授業を進めることで評価規準シラバスの問題点をあぶり出し、即座にシラバスの修正がなされる仕組みになっているのだ。


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