ベネッセ教育総合研究所
特集 保護者と「共育」する学校づくり
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地域の中の学校という認識を持つこと
―地域との連携を深めていくことが大事だということですが、その際の課題には何がありますか。

 公立の小・中学校は、学区が狭いので地域との一体感を得やすい。しかし、高校の場合は学区が広いため、必ずしも学校のある地域から生徒が通ってくるわけではありませんよね。その分、生徒や保護者、そして先生方の地域に対する思い入れは薄くなりますし、その高校に対する地域社会の関心も小・中学校ほどにはない。これが高校と保護者の関係同様、地域社会と学校との「共育」を難しくしていると思います。
 そういう意味では、地方の学校の方が地域社会とうまく連動しているのではないでしょうか。地域の企業は生徒の就職先でもあるわけですし、職業体験も含めたユニークな授業を取り入れているところが多い。学校との連携が、地域全体の活性化につながる場合が多いわけですから。

―それに比べて、都市部などでは地域と学校との一体感はつくりにくい。


 そうですね。ただ、そうは言っても今一度「○○町にある学校」という意識に立ち返ってほしいと思いますね。地域に開かずにいると、学校は地域にとって得体の知れないものになりかねません。髪を染めた高校生が集団で徘徊するような。そうすると、高校が地域の邪魔者になってしまいます。
 地元の商店街と何ができるか、あるいは工場やコンビナートがあれば、そこと一緒に何かできないかを考えてみる。また、学校の運動会や文化祭にしても、町を挙げてのイベントにする。セキュリティの問題はあるにせよ、地域の人がフリーパスで入れるような、開かれた雰囲気が今の学校には必要ではないでしょうか。


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