ベネッセ教育総合研究所
特集 保護者と「共育」する学校づくり
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個別面談方式で信頼を得る「保護者会」
 知立東高校が保護者向けに実施している主な取り組みを図1に示した。  
▼図1 知立東高校の取り組み概念図(1年)
図1
年間を通して各種の機会が確保されているのが分かるが、中でも知立東高校が力を入れているのが、毎年6月と11月に実施されている「保護者会」である。一見、どこの学校でも行っている取り組みのように思われるが、知立東高校の保護者会にはある特徴がある。すなわち、担任教師と保護者が1対1で面談する個別面談の形式で実施されているのだ。教務主任の浅野一郎先生はその意義を次のように説明する。
  「学校の指導方針や3年間の生徒育成ビジョンといった事項については、合格者説明会やPTA総会などの場を利用して適宜説明することが可能です。しかし、保護者と学校にとって真に重要なのは、生徒一人ひとりについて、『共に生徒を育てているんだ』という意識を共有することではないでしょうか。保護者会の時間は、一人当たり15〜20分程度ですが、担任と保護者がきちんと向き合える機会を確保することは、人間的な信頼関係を築く上で極めて大切なことだと考えています」
  それだけに、実施時期を除き保護者会の細かな進め方は、各学年の実態に即応すべく、学年団に広範な自主裁量権が認められている。3学年主任の瓜田定晃先生は、こんな工夫を加えたそうだ。
  「私たちの学年では、最初の5〜10分ほどの間、生徒を同席させて、3者面談を導入しました。生徒と保護者の考えが違う場合には、教師と生徒がどんな関係にあるのか見てもらうことで、保護者の方も安心して担任と話をすることができますし、本音も出しやすくなるんです」


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