ベネッセ教育総合研究所
大学改革の行方 教員養成改革の方向性
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「在り方懇」が打ち出した目的養成重視の姿勢
 入学定員の削減や採用率に占める教員養成課程卒の割合低下、新課程のアイデンティティの希薄化など、教員養成系大学・学部のプレゼンス低下が顕在化する中、近年、改革の動きが活発になってきた。転機となったのは、01年11月に出された「国立の教員養成系大学・学部の在り方に関する懇談会」(以下「在り方懇」)の報告書だ。「教員余り」という量的な側面だけから新課程を設置した政策の誤りを指摘し、教員養成系大学・学部における「目的養成重視の姿勢」を強調した報告書は、多くの教員養成系大学・学部に示唆を与えた。横須賀学長も「多くの教員が、教員養成の中で自分の専門を生かす工夫をするようになってきた」と指摘する。また、「在り方懇」報告書では全国の教員養成系大学・学部を統合・再編するプランも示され、教員養成機能の在り方にも一石を投じた。            
  更に04年10月、教員の資質・向上への対応を中心として、専門職大学院の設置や教員免許更新制の導入について文部科学大臣が中教審に諮問。05年3月には、教員養成系大学・学部の入学定員増抑制の方針が撤廃された。更に05年度中頃には、文部科学省が優れた教員養成プログラムを実施する大学・大学院に資金を重点的に配分する「大学・大学院における教員養成推進プログラム」(通称・教員養成GP)の支援も始まる。教員養成系大学・学部の改革が大きく動き出したのである。
▼図2 公立小中学校教員採用者数及び倍率の推移

図2

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