ベネッセ教育総合研究所
SSH指定校レポート
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テキスト開発から授業参観まで大学と連携
 03年度から、2学期制に移行したことを受けて、2年目の理数研究は履修方法そのものから変えていった。
 「03年度から理数研究は学校設定科目となり、授業時間も大幅に増えました。生徒はまず前期に数学、物理、化学、生物、情報の5領域を各10時間ずつ学び、後期ではその中から自分の興味のある領域を選択し、グループごとに研究に取り組み、レポートにまとめていきます。全員が同じテーマを学ぶスタイルから、まず幅広く技能と知識を身に付けた後に、それらの特徴をよく理解した上で、興味・関心に応じて特定の領域に進むスタイルへと移行したのです」(千葉勝己先生)
 理数研究に使用する教材のクオリティも着実に高めてきた。
 「理数研究を通して改めて分かったことは、入試でそれほど重視されない分野・領域に、実はその教科の面白さが詰まっていることが多いということ。指導要領上普段ならあまり時間をかけないようなところに、大学での学問につながる要素がたくさんあるんです。また、特に数学の場合は、そういう分野がむしろ数学の世界を俯瞰的に理解するきっかけになるんです」(中吉聖先生)
 化学領域では、広島大大学院医歯薬学総合研究科の小池透教授と連携してテキストを作成、授業で使用しながら改良を重ねていくというスタイルを取った。
 「小池先生は、テキストが授業でどう使われているのか、授業をよく参観しに来られました。『生徒の皆さん! 本当に分かっていますか? 分かっていないのなら、どうしてそう言わないのですか?』と授業を中断させられたこともあります。教師にとっても非常に緊張感のある体験でした」(柞磨先生)

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