ベネッセ教育総合研究所
SSH指定校レポート
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クローズアップSSH
◎普通科高校として、生徒全体に対して科学への興味付けを行う一方、意識の高い生徒への体験学習の場を2段階の深度で設定した岡崎高校の取り組みを更に見ていく。

大学の研究室へ5泊6日の内地留学
 岡崎高校のSSH事業の中で、最も注目を集めているプログラムが、夏休みに行われる「特別課外活動II」だ。これは、大学院の研究室へ生徒を5泊6日“内地留学”させるもので、対象は2年生理型の希望者。このプログラムがスタートした03年度は、東京大に11名、名古屋大に15名、京都大に6名、計32名の生徒が参加した(図参照)。
図表
 
 「参加生徒全員が同じテーマで臨む大学での集中実験・集中講義や、企業の研究所等における体験学習を行う『特別課外活動I』は初年度から実施していました。しかし、実際の研究生活を体験したり、研究者と直に触れ合ったりするには、やはり2泊3日では短いのではないかという意見が出てきたのです。そこで、03年度から、これに加えて5泊6日で研究室生活を体験すると共に、参加生徒が各々挑戦したい課題テーマを掲げて臨む『特別課外活動II』を新たに設けました。生徒を受け入れてくれた研究室は、青山教頭が本校卒業生を頼りに、一つひとつ訪ね歩いて開拓したルートなんです」(中神正幸先生)
 「その後の具体的なやり取りについては、大学ごとに担当教師を決めて、それぞれの研究室と連絡を取り合いました。実践を実りあるものとするため、前年度の冬から準備を進めてきました」(酒井泰雄先生)
 参加した生徒たちは、ただ研究室を見学するだけではない。自らが6日間かけて主体的に課題研究に取り組み、その結果を論文にまとめなければならない。まさに大学での仮説検証型の研究を疑似体験するほどの濃密なプログラムである。そのため、参加する生徒には相応の覚悟が求められる。岡崎高校では参加を希望する生徒一人ひとりに面談を実施し、事前学習から論文作成までの活動の厳しさを伝えたという。その中で、参加者は本当に興味を持った生徒だけに絞り込まれていった。
 「参加する生徒は、夏休み前に土日や放課後を使って、研究室を事前訪問します。ここで担当教官から、事前準備や、研究計画についてのアドバイスを受けます。どこの研究室も、人員の配置や実験機材など、こちらが驚くくらいの準備をしていだたき、万全の指導体制を整えてくださいました」(高井俊直先生)

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