特集 「完全新課程生」をどう育てるか


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特集 「完全新課程生」をどう育てるか

03年度から学年進行で進んできた新課程への移行は、
05年度をもってひとまず完了した。
しかし、中学3年間を新課程で過ごした「完全新課程生」に
応じた指導プランの研究は、まだ始まったばかりだ。
各種データや現場の声を基に、今後の指導の在り方について考える。

【データ分析】

03年度から生徒はどう変わったか?

03年度から進んできた新課程への移行は、05年度でひとまず完了した。
しかし、中学校3年間を完全に新課程下で教育を受け、
05年4月に入学してきた「完全新課程生」の実態は、
まだ十分に把握されていないのではないだろうか。
03、04年度入学生との比較から、「完全新課程生」の特質を浮き彫りにする。

課題

「完全新課程生」への対応はこれからが正念場

 03年度から学年進行で進んできた高校現場における新課程への移行は、05年度をもって完了した。ここ数年の間に、新入生合宿やシラバス作成、学習法ガイダンス等が全国的に普及したが、取り組みが一定の成果を上げた学校では、「既に新課程への対応は一段落した」という声も聞かれるようになりつつある。
  だが、そうした声の一方で、今後の行方に新たな危機感を抱く教師も少なくない。「中学3年間を完全に新課程で過ごした『完全新課程生』への対応はまだ未完成だ」という見解である。
 周知のように、中学校における新課程は、02年度から全学年一斉にスタートした。したがって、03、04年度入学生は、中学時代に旧課程による教育を一部受けていることになる。
  これに対し、05年度入学生以降は、中学3年間すべてを新課程で学んだ「完全新課程生」である。「03年度を機に進められた新課程対応の正念場は、まさにこれから」との指摘は、そうした現状を踏まえてのことだ。
  そこで次ページからは、「完全新課程生」の実態を、03、04年度入学生のデータと比較しつつ探ってみたい。

※今回は、スタディーサポート全国集計結果から、ほとんどの生徒が4年制大の進学を希望している公立高校のデータを抽出して分析した。
調査概要

DATA1〜4

「スタディーサポート1年生第1回(03〜05年度)」
実施時期/各年度の3〜5月
集計方法/01〜05年度継続受験した全国の高校のうち、ほとんどの生徒が4年制大の進学を希望している公立高校(50校)を抽出したデータ
DATA5 「中学校の学習指導に関する実態調査報告書2005」より
「学力格差の変化(5年前との比較)」のデータ
調査元/ベネッセ教育研究開発センター
実施時期/05年4〜7月
調査対象/全国の中学校の教務主任(配付数:9,461名、有効回答数:3,170名)

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