生きたデータの見せ方・つくり方 2年生の夏休み明けの意識付け
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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CASE2 先輩のデータからこの時期の重要性を伝える
『VIEW21』編集部ヒアリング結果より
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図3,4
※上記の加工可能な資料がダウンロードできます
■先輩の模試の成績推移パターン Excelダウンロード(24KB)
データ作成・加工の POINT
生徒にとって、身近な先輩や友人の体験談やデータは非常に参考になる。(3)は、先輩(3年生あるいは卒業生)のこの時期の学習に関する声である。特に、夏休みにほとんど勉強をしなかったために、後悔や不安を感じている生徒には、「夏休みに勉強せずに成績が落ち込んだ」といった同様の経験をした先輩の合格体験談は心の支えになるだろう。(4)は、夏休み後に成績が変化した先輩の模試データである。さまざまなパターンのデータを見せることで、学習への動機付けを行いたい。生徒にデータを提示する際、「この先輩は、勉強時間がこの時期大幅に減少した」「部活に打ち込んでいたが、勉強もコツコツやっていた結果、A大に合格した」「勉強はほとんどやらず、部活ばかりしていたため浪人した」など、その先輩の夏休み明けの様子や実際の進路先を伝えることでデータが生きてくる。
プラスαの一工夫
生徒をいたずらに不安にさせない
模試成績の推移などのデータを見せることで、生徒に受験に対する意識を持たせることは、意義のあることだ。だが、「勉強時間が減ると成績が下降する」というデータばかりを提示すると、不安だけが増長されかねない。「勉強すれば成績は上がる」「忙しいこの時期は勉強時間が減っても、要所さえ押さえていれば挽回は十分可能」と、生徒が前向きな気持ちになれるようなデータの提示の仕方が求められる。したがって、「こうしたので成績が落ちた」というケースよりも「忙しい中でもこうしたから上がった」というプラスのケースを意図的に多く見せたい。
合格者のこの時期の学習状況を提示
クラスで志望者の多い大学について、合格者(卒業生)のこの時期の学習内容(教科別に力を入れた点)などを提示すれば、生徒の参考になる。忙しい時期に、どのような優先順位で勉強すればよいかがわかれば、生徒は狙いを絞った勉強が可能になる。また、合格者の高2・2学期の学習時間も、生徒に提示したい資料だ。ただし、実際に集計してみると、難関大合格者の学習時間が予想外に少ないなど、教師の期待通りのデータになるとは限らない。その際は、学力アップの決め手は「学習時間×集中力」にあることを伝えたい。

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