SELHi指定校レポート 高知県 高知県立高知西高校
高知県立高知西高校

高知県立高知西高校

1957年に高知県立高知東高校として開校後、翌年現在地に移転し、学校名を高知西高校として現在に至る。68年には、高知県の高校としては初となる英語科を設置。オーストラリアのザ・フレンズ・スクールと姉妹校締結を行うなど、数多くの留学生を受け入れ、国際交流の先進校として積極的に活動している。03年度にSELHi指定。


設立●1957年(昭和32年)

形態●全日制(普通科・英語科)/共学

生徒数(1学年)●約280名(うち英語科約40名)

05年度入試実績●国公立大は、高知大23名、神戸大2名、愛媛大2名、東京学芸大1名、広島大1名など45名が合格。私立大は、関西外国語大8名、立命館大5名、同志社大4名、関西大3名、法政大3名、早稲田大2名、立教大2名など延べ260名が合格。

住所●高知県高知市鴨部2-5-70

電話●088(844)1221

URL●http://www.kochinet.
ed.jp/nishi-h/

山田憲昭

▲広島県立尾道東高校

山田憲昭

Yamada Noriaki

教職歴20年目。広島県立尾道東高校に赴任して9年目。「SELHiの研究は忙しいですが、より良い授業をつくりたいという思いを他の多くの先生と共有できたのがよかったと思います」

VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
  PAGE 20/29 前ページ   次ページ

SELHi指定校レポート case study 5
高知県 高知県立高知西高校

多量のインプットを良質のアウトプットに高める
指導システムを構築

従来の問題解決に向け授業改革をスタート

 文部科学省が第一期SELHi指定校を発表した01年度、高知県立高知西高校は全国英語教育団体連合会全国大会の事務局校・授業発表校だった。英語科の山田憲昭先生は、大会で他校の実践事例を見て、自校の英語指導を見直すべきだと確信した。
  「英語科には、元々英語が好きな生徒が入学してくるので、確固たる指導体系がなくても生徒の成績は良かったんです。しかし、近年、中学校でのコミュニカティブな活動中心の指導や英語に触れる量の少なさを考えると、今のままの指導で本当に生徒の英語能力を伸ばしていけるのだろうか、という問題意識を持っていました」
  SELHi指定校となることが、指導の改善のきっかけになればと考えた高知西高校は、指導で見直すべき点を次の六つに整理した。
(1)授業が訳読に偏重している
(2)文法重視で、実践的に英語を生かす機会が少ない
(3)アウトプット(スピーキング、ライティング)の中身(内容、意見)が形成されていない
(4)論理的思考の訓練がなされていない
(5)国際理解教育が表面的
(6)高校3年間の英語教育がシステムとして構築されていない
  これらの課題を踏まえ、高知西高校がSELHiの研究開発課題として掲げたのが、「多量のインプットを良質のアウトプットに高める体系的な指導システムの開発」だ。より多くの英語に触れさせた上で、スピーキングやライティングなどの英語を使った活動を行い、自分の意見を英語で述べることができるように、段階的に指導していくというものだ。
  これを実現するため、「増量コア・プログラム」「スキル養成プログラム」「地球市民養成プログラム」の三つのプログラムを柱に、3年間の系統的なカリキュラムを編成した(図1)。

図1

  PAGE 20/29 前ページ  次ページ
目次へもどる
高等学校向けトップへ