VIEW21 SELHi特集号---SELHiデータベース
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詳細情報
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岡山県立 岡山城東高等学校

■研究開発課題
英語教育における発信型コミュニケーション能力育成方法に関する研究
■主要指標
測定分野:スピーキング能力
学習者のスピーキングのパフォーマンスを8段階で評価するスピーキングテスト「HOPE」を兵庫教育大学と共同開発。
スピーキングにおけるfunction、content、text type,comprehensibilityの4つの観点を評価。8段階のレベルSTEP1〜8で、卒業時達成目標は「STEP6をクリアすること」とした。(STEP6は、ディベートがスムーズにできるレベルである。)
■補助指標
GTEC for STUDENTS
測定分野:リーディング、リスニング、ライティングの能力について、英語力全般の力の変化を見るため傍証として用いた。
■研究内容
1.   指導と評価のシラバスの研究開発 (RLWS)

2. スピーキング評価方法の研究開発

3. 情意的側面の改善


2007年度 学校提供資料

■学校提供資料
卒業時達成目標・各科目目標
英語I 学習活動と評価規準
英語II 学習活動と評価規準
英語I 学習指導案
英語II 学習指導案
英語I 生徒用シラバス
英語II 生徒用シラバス

2005年度以前 学校提供資料

■研究テーマ
英語教育における発信型コミュニケーション能力育成方法に関する研究
−シラバスの開発を中心に−
■そのテーマを研究しようと考えた背景
従来の日本の英語教育はInputはよく行われてきたが、必ずしもOutputの指導については十分とはいえない状況であり、このOutputをどのように指導すべきかと考えた事がテーマ設定の背景にある。
添付資料1 概要1
添付資料2 概要2
■当初期待していた成果
3年間のゴールを達成するために、1時間1時間の活動は積み重ねられていく。これを達成するためにシラバスを作成し、シラバスが出来上がれば、表裏一体で授業案が出来上がり評価基準が出来上がっていき、子供たちを伸ばしていくことができると期待した。
■対象クラス、生徒人数
高校1・2年生の国際系2クラス(合計4クラス)が対象。ただし、1年次は系統に分かれていないため、全学年を対象とした取り組みであった。
■指導教員、教員人数
本校英語科教員(JET)が13名、常勤非常勤含む外国人教員(AET)が5名。
■その他

・3ヵ年の到達目標から逆算した技能別科目別学年別のタスクベースシラバス
・セルハイランチの実施による英語教員間の連携体制の構築と意識改革の成功

■指導計画
卒業時に達成したい目標を作成し、そこから逆算して各学年の各科目の目標を決めている。
また科目間を横に眺めながら重み付けを行い、科目間のつながりを重視したシラバスを作成した。
添付資料3 卒業時達成目標・各科目目標

シラバスを作成するに当たり、日本の英語教育がこれまであまりSpeakingに取り組んでこなかったことを踏まえ、この点を授業の中に位置づけようとしてきた。Speaking力を高めるために行ったことは、添付資料4を参照していただきたい。

特筆すべきなのは、日々の指導の中で行ってきた指導の成果(Reading、Listening、Writing、Speaking)を2年生2月に実施しているIntensive Training Camp (ITC)で統合させ使わせる場を用意していることである。本校のITCは単なるお楽しみ行事ではなく、授業で身に付ける英語力との明確な関連付けを持たせている。
添付資料5 平成14年度ITCの活動と各科目のSELHi特化活動との関連

いずれにしても、本校の SELHi研究開発課題の中核は「シラバス」である。シラバスに特化した研究開発であった。本校のシラバスの特徴は、よくある「進行表」にあたるものはまったく作らず(担当教員個々人が用意することはあった)、むしろタスクベースのシラバスを作成することとした。
添付資料6 英語・ 学習活動と評価規準
■一連の指導の流れ
本校の指導案については添付資料7で確認いただきたい。

本校の研究実践から得られたことは、シラバスさえきちんと出来上がっていれば、授業にブレが無くなる(学年間・教員間)ということである。シラバスがあれば、他校から赴任してきた教員でもどのような形で指導すればよいのか、方法のイメージもつきやすい。ある特定の教員だけで指導が進むようなことは本校にはない。

そのためにも教員間の連携が大切である。本校のセルハイ研究は特定の教員のみで取り組んだわけではなく、英語科全員が役割を持ち協力した。本校発の「セルハイランチ」の取り組みも他校でも知られるようになっている。
添付資料8 セルハイ研究開発が教師へもたらしたもの

本校の実践の副産物として生まれたのが、この教員間の協力体制である。たしかに目線を合わせることは困難なことかもしれないが、特別な機材も何もいらないし、やればできることである。ぜひこの点を実践してもらいたい。
■成果
本校の指導成果の客観テストによる数的検証結果は、GTEC for STUDENTS(Reading、Listening、Writing)および兵庫教育大学と独自に共同開発したスピーキングテスト「HOPE」で確認されたい。
添付資料9 成果
「HOPE」の結果は帳票に試験官のコメントを記載して返却していたが、この点は生徒に大変好評であった。もう一度受けてみたいという声が多く寄せられた。

数量的な部分以外での成果としては次のようなことがある。
アウトプットのパフォーマンスが伸びたと言える。当初は下を向いていた生徒が、高校3年次にはしっかりと話すことができるようになった。大学受験の時期であっても、生徒たちは「英語らしい」表現で、大きな声で音読ができた。一般的に日本の高校においては、同一集団の中で目立つことを避け、わざと日本語英語(カタカナ英語)的に生徒が音読する場合が多いが、本校はまったく違った結果を手にすることができたのである。

最後になるが、本校のセルハイ研究は、運営指導委員の先生も巻き込み、プレーしてもらったことが大いに功を奏した。取り組みを行う中で「よその人、外野の人」がいない状態を作り出して取り組めたことが大きかった。
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