VIEW21 SELHi特集号---SELHiデータベース
トップページへ戻る
詳細情報
高校の詳細情報がご覧いただけます。研究テーマの詳細は、各テーマをクリックしてください。「学校提供資料」ボタンがある場合は、クリックしていただくと各高校で実際に使用されている資料がご覧いただけます。

茨城県立 藤代高等学校


■研究開発課題
積極的に英語を使う生徒を増やすための効果的な指導方法の研究開発
−学校全体による実践研究開発への取り組み−
■主要指標
・スピーキングの評価・・・「OC I」・「ライティング」の授業におけるスピーチを評価シートを使って15点満点で評価する。(アイコンタクト、ボイス、スピーチスピード、フェイシャルエクスプレッションズ、ジェスチュア&ポスチュア)

・「English Day]の評価・・・English DayのシートのEvaluationの部分で、生徒自身の評価、生徒間の相互評価を行う。また「Today's Questions」でリスニングの様子を評価する。

■補助指標
・英語コミュニケーション能力テスト(GTEC for STUDENTS)
・実用英語検定試験
・英検ステップアップリスニングテスト
■研究内容
1.   「スピーチ」を通してのコミュニケーション能力の向上を目指す研究 (LWS)

2. オーラル・コミュニケーションI、ライティングでのオールイングリッシュによる授業展開のための効果的なALTの活用の研究 (LWS)

3. 音声導入や副教材の有効活用による、読解力育成の研究

4. 効果的なリスニング能力を高める指導法の研究 (RL)

5. 国際理解教育(異文化理解)をテーマにした「総合的な学習の時間」を通して生徒の英語学習に対するモティベーションを高める (LS)

6. 国際理解教育として、国際交流に学校全体で取り組む (LS)

7. 高大連携を利用した、生徒のコミュニケーション能力の育成を目指した指導法の研究 (LWS)

8. パソコン等の情報機器を活発に活用し、楽しく英語が学べる環境づくりをする研究 (RLW)


2005年度以前 学校提供資料

■研究テーマ
積極的に英語を使う生徒を増やすための効果的な指導方法の研究開発
■そのテーマを研究しようと考えた背景
本校に対しては、大学進学が可能な学校であって欲しいという保護者や地域の要望が強いため、本校の英語の教科指導は大学入試を念頭においたものになっていた。このため、英語を身につけ総合的コミュニケーション力を持った生徒の育成に関する研究が十分に行われてこなかったという現状があった。
■当初期待していた成果
1. 1年次の「オーラル・コミュニケーションI」と2年次の「ライティング」の2年間の授業におけるスピーチの指導をとおして、段階的かつ効果的な実践英語の指導と評価を研究する。また、「オーラル・コミュニケーションI」や「ライティング」の授業を習熟度別で行い、オールイングリシュの少人数クラスの授業展開の研究、実践的なリスニングやリーディングの研究を実施する。
2. SELHi研究開発における特徴的な取り組みとして、ITを活用した授業の研究、高大連携の積極的活用 を実践し、生徒が多角的に英語に親しめるように取り組む。
3. 「English Day」を全校レベルで実践し、生徒の英語学習に対するモチベーションを高める。
4. 教員の研修機会の質及び量を増やし、教員間の連携を図る。学校全体での取り組みを整理・統合し、近隣の中学校・高校に発信し広く理解してもらう。
■対象クラス、生徒人数
高校1・2年生 各6クラス240名
■指導教員、教員人数
英語:日本人8名(1年:2、2年:3、3年:2)、外国人講師:1名、ALT:1名
■その他
 
■指導計画
添付資料1-1
添付資料1-2
添付資料1-3
■一連の指導の流れ
添付資料2-1
添付資料2-2
添付資料2-3
添付資料2-4
添付資料2-5
添付資料2-6
添付資料2-7
添付資料2-8
■成果
1.「English Day」について

毎週木曜日のイングリッシュデイの昼休み、英語のインタビューを行っている。4月当初は逃げ回る生徒が多数見られたが、現在は素直に英語のインタビューに応じる生徒が増加してきた。このようなインタビュースタイルに慣れてきたと思われる。

2.「オーラル・コミュニケーションI」の授業について

オーラル・コミュニケーションIの授業において、4月から7月まではJTEとALTのTTを行い、9月から3月まではクラスをJTEとALT担当グループと外国人講師担当グループの二分割にした。1クラス41人をTTで教えているころは、生徒がALTの話している内容がわかりにくい場合、日本語訳を伝えることが多かった。授業の効率化という点と授業進度を考えるとそうせざるを得ない状況もあった。しかし9月からクラスを二分割にすることで授業時生徒が21人という状況が可能になった。生徒たちはALTや外国人講師の話をより近くで聞くことができ、聞き逃すことが減り、英語でのやりとりが自然にできるようになった。その結果、JTEが日本語訳を加える必要が大幅に減少した。ALTの発言の後、JTEに頼ろうとする姿も減ってきた。JTEの姿勢とクラスサイズを変えたことで、英語コミュニケーション力は着実に向上している。しかし、積極参加型の授業に拒否反応を示すおとなしい生徒もでてきている。おとなしい生徒・積極的なコミュニケーションをとりにくい生徒をどう参加させるかが新たな課題である。

3.「ライティング」の授業について

2年のライティングの授業において年2回のスピーチを行った。前期(5月、7月)後期(11月、1月)、2回のスピーチの結果によると、多くの生徒の評価があがっている。評価のポイントは態度・発音・内容を各5点の15点満点である。前期のスピーチが終了した段階で、スピーチ時のアイコンタクトがとれていなかったので、著名人のスピーチのDVDをみせアイコンタクトを真似るよう指導した。その結果、多くの生徒がアイコンタクトの方法を学び実践したことで評価へとつながった。また内容もよくなり一定の形ができあがったと思う。しかし発音の面では改善があまり見られない。シャドーウィングやオーバーラッピングなど新たな取り組みが必要である。

4.試験等について

年3回進研模試を行っている(7月・11月・1月)。開校以来30年間行い、生徒の英語力を年度ごとに比較することで学習状況の分析に用いている。今年度の1年生のリスニング分野を分析した。得点率の変化や上位層の増加など顕著な変化は見られず1年間の指導が明確に結果としては表れなかったが、今後もこの点に注目し推移を分析したい。
また、6月に実施した英語コミュニケーション能力テストについては、平均スコアは1年生が800点満点で370点、読解力においても、リスニング力においてもまだ課題が残されている状態である。2年生は800点満点で391点、1年生に比べ速読力など多少レベルは上であると思われるが、まだ多くの課題がある。ただ、1、2年生ともにほぼ全員が受験しているため、英語に対する生徒個人個人の取り組みの差などもはっきりでているのが現状である。この同じテストを17年度の6月に再び実施し、その変化などを分析する。

5.平成16年度SELHiアンケートについて

今年度SELHiの指定を受け、積極的に英語を使う生徒を増やすために学校全体で取り組んできたが、そのSELHi活動を生徒はどのように受け止めているのか、アンケートを実施してみた。1年目でもあり、また対象の生徒が1、2年生全員ということもあり、SELHi活動を全員に行き渡らせるということが大変難しいものであるということがアンケートからもうかがうことができる。ある生徒達にとっては、大変有意義な取り組みであるのに対し、またある生徒達はSELHi自体も認識できていないという現実がある。英語を積極的に使うということを、どれだけ多くの生徒達に広げていけるかが今後の課題と思われる。しかし、オールイングリッシュによる少人数制の授業や「スピーチ」の取り組みなどを多くの生徒が英語力向上に役立っていると感じており、取り組みの成果は確実に出ている。

6.校内の英語教育(特に授業)の改善状況

1.SELHiを景気に「校内の英語教育」がどのように改善されているか

目標である「積極的に英語を使う生徒を増やすための効果的な指導法の研究「学校全体による実践研究開発への取り組み」を具体化するために、英語を積極的に使う環境作りに取り組んだ。

(1)目に見える環境作り

ア 校内の掲示を英語化

職員室、校長室など校舎の慶事を英語にした。但し来客にも対応するため、片面は従来通り日本語表示にした。生徒には好評であった。

イ 授業で作成したポスターなどを廊下に慶事

OCIのテーマ学習でプレゼンテーション用に作成したポスターを本館から特別棟へ行く廊下に掲示。他クラスや他学年の生徒もその授業の内容がわかり、興味を持って見ていた。

ウ 国際的に感心を持たれている事柄を写真などで掲示

国境なき医師団提供の国際紛争で苦しむ子どもたちの写真や本校職員がボスニアで撮影した写真を掲示した。視覚に訴えるものには、生徒たちは高い関心を示した。

エ クラスに英字新聞を配布

Mainichi Weeklyを週1回クラスに配布した。ファイルを準備してためていく形式にした。中には好きなコラムや特集記事を楽しみにしている生徒もいた。授業での活用について、もっと工夫できる予知がある。

オ 藤代SELHiだよりの発行

毎月、生徒向けに発行している。SELHi関連の行事や、「English Day」のToday’s Expressyonns、生徒のエッセイなどを掲載する。

カ 職員向け週報にワンポイント英会話が登場

週刊の教職員向けの週報に、ワンポイント英会話が掲載されている。ALTや外国人講師のアドバイスを利用して、教務主任が作成する。その他の連絡事項にもたくさんの英語が使われ始めている。

(2)研修会・講演会などの企画

JICAの研修会や、International Dayの企画、外務省の「高校講座」においての本校17回卒業生の講演会などを通して、生徒の視野を広げる試みをした。

2.校内組織の改善や、英語教員の指導法の改善が指定後どのように改善したか

(1)校内組織の改善

SELHi委員に、英語以外の先生方に数多く参加願った。SELHi主任は社会科の教員である。また、パソコンに詳しい教員が、情報版に加わった。研究協議会のプレゼンテーションを効果的に実施できた。また、本校のSELHiの重点項目の一つに位置づけられる「English Day」は、1、2年の学年主任を中心に、学年主導で行っている。また国際教育関連の行事も、総合的な学習の時間と連動させて学年が計画して実施した。SELHi事業は大きなプロジェクトなので、英語教員だけの力ではとうてい実施は不可能であるという認識を共通に持って、1年間実施してきたが、今後は、SELHi委員だけではなく、他教科の一般の先生方も取り込んで、校内をさらに活性化させる取り組みとしたい。

(2)教育課程やシラバスの改善

本校では、SELHi事業により教育課程を変えることはしていない。外国人講師が採用されたので、OCIとWritingの1単位を1クラス2つに分け実施している。この少人数制は効果的である。具体的なコミュニケーション能力の向上に関しては、来る6月に行われる第2回目のコミュニケーション能力テストの結果を待たなければならない。しかし、少人数にしたことで、発言の機会が増え、また生徒達のモチベーションが上がっているのは明らかである。

(3)研究授業や公開授業の実施

ア 平成16年度茨城県議会文教治安委員会県内調査
イ 平成16年度SELHi運営指導委員会
ウ 平成16年度SELHi公開授業及び講演会

今年度は3土の公開授業を行った。特に、イの運営指導委員会ではスピーチに関して多くの提案があり、次年度へ活かしていきたい。ウの公開授業では、近隣の小中高から多数の先生方の参加を得ることができた。このような形で近隣の教員同士が集まり、お互い抱えている問題について語ることができ、大変有意義な機会であった。本校SELHiの事業のPRにもなった。

(4)指導力向上のための研修状況

ア 週1回の英語科会

毎週水曜の1時間目に英語による英語科会を実施している。これは、ALTや外国語講師にも好評である。この中で、他のSELHi先進校の視察報告や、茨城県独自のイングリッシュシャワープログラム実施校の視察報告なども行っている。

イ 神田外語学院の長谷川貢先生の講演会を企画

公開授業のあとに講演会を企画し、近隣の小中高の先生方にも一緒に聞いていただいた。様々な悩みを抱える英語教員が元気をもらえるような内容の講演であった。

ウ 週1回のSELHi委員会

毎週月曜の4時間目に開かれている。委員が多いのですべての委員が参加するのは難しいが、英語科の教員は全員参加できるようにに配慮されている。授業以外のSELHi事業の取り組みを確認できる有効な時間である。

© Benesse Holdings, Inc. 2014 All rights reserved.
[close]