VIEW21 SELHi特集号---SELHiデータベース
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詳細情報
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神奈川県 横浜市立横浜商業高等学校


■研究開発課題
教育課程の工夫と教科間連携を活かした、効率的・効果的なコミュニケーションスキルの定着を目指す指導法の研究開発
■主要指標
高校2年終了時に、読解力は140字/分、作文力は300語程度のエッセー、会話力は客観的な描写のみならず、自己の考えを伝えられる力を目指した。対象が新設学科の第一期生ということで、比較研究の材料がないため、外部の客観テストと校内の自作テストを比較し、自作テストの妥当性を検証していく3年間であった。
■補助指標
桐原書店ACE、ベネッセコーポレーションGTEC for STUDENTS、TOEIC Bridge

研究対象クラスが第1期生ということで、生徒の属性に統一性が見出しにくいこと、また補助指導として設定した各種外部テスト内容について、指導者側が不案内であったことから、目標数値の設定が困難であった。第1期生の足跡を以降の期の数値目標の目安とすることにした。

■研究内容
1.   教育課程の工夫と指導方法の在り方 (RLWS)

2. 教科間連携による、スキルラーニングに集中できる授業の実施方法 (RLWS)

3. コミュニケーションスキルの実践的な活用と向上の方策 (RLWS)


2005年度以前 学校提供資料

■研究テーマ
教育課程の工夫と教科間連携を活かした、効率的・効果的なコミュニケーションスキルの定着を目指す指導法の研究開発
■そのテーマを研究しようと考えた背景
平成15年度の国際学科の開設にあたり、その教育目標として、「自国や諸外国の文化と伝統を尊重するとともに、国際社会に主体的に対応できる豊かな国際感覚と優れたコミュニケーション能力を備え、主体的に問題を解決する力を身に付けた人材の育成」つまり「英語を使える生徒の育成」を掲げている。そのためには、文法訳読主義から脱却し、「英語を使う機会が豊富に与えられる」ことが肝要と仮説を立てた。
添付資料1 SELHi研究のコンセプト
なお、SELHiの対象学年は国際学科の1期生である。
今回のヒアリングではREADINGの指導に絞って事例を紹介する。
■当初期待していた成果
スキルベースの指導を行うことで(特にREADING)
  • 英語の長文に対する抵抗感がなくなる。
  • 返り読みをしなくなる。
  • 長文を読むときいちいち和訳をしなくなる。

上記から速読力が身につく

■対象クラス、生徒人数
国際学科(1クラス・40人)高1・高2・高3 
今回のヒアリングは主に3年間SELHi指導を受けた高校3年生がメインとなっている。
■指導教員、教員人数
英語科常勤9名、うち8名が国際学科を指導
■その他
  • 1学年に4名以内の在外外国人
  • インターネット使用可能なLL教室を活用・英語に触れる環境作りを行う。
■指導計画
添付資料1 SELHi研究のコンセプト
なるべく英語を使わせる機会を多くするための工夫を掲載

国際学科の3年間の英語は基本的に「スキルベース」となっており、独立した文法の時間はない。またREADINGの時間の中でも文法を体系的に教える機会もなく、生徒が文章を読んでいくとき、また文章を書いていくときに、知らないと進まないものを随時そのときに教える。

◆READING SKILLS 3コマ中1コマはALTによる授業・そこでの教材はALTが生素材もしくは、高校生向けにリライトしたものを使用。2コマはREADINGのスキルを学ぶ。
「BASIC READING POWER」(1年次)、「READING POWER」(2年次)を使用。

◆OC SKILLS  2コマ中1コマはLL教室でリスニング・1コマはスピーキング
◆WRITING SKILLS  ALTとのTT.「COMPOSITION PRACTICE」を使用

■一連の指導の流れ
今までの英語指導は文法のルールを教えてから読解するという流れだったが、ここでは、とにかくたくさん読んで、英語を使ってからルールを学んでいくという流れをとっている。

Readingの指導は主に1年次「BASIC READING POWER」2年次「READING POWER」(Longman)を使用。わからない単語も一文に5,6語程度なので、速読をさせるにもちょうど良い。また、オールイングリッシュでの授業展開が可能なテキストでもある。このようにいかに信頼できる教科書を探せるかも、効果のある授業を進めるための重要なポイントである。


スキャニング・スキミング・推測・トピック探しなど、テーマごとスキルを学び、そのスキルを使って実際に易しい文章で読解をするという流れ(スキル習得+EXERCISE/テキストにのっているものの他、先生が文章を選んでくることも多い)。

2年次は基本的に1年次より読む内容やEXERCISEがレベルアップ。また2年次には英文構成・パラグラフの組み立て(LISTING/ TIME ORDER/ CAUSE-EFFECT/ COMPARISON/・・・・)などを学ぶようになり、これはライティングの授業と連携している。


3年次はテキストから離れ、1、2年次で習得したスキルを実際に生の英文素材で使わせていく。使用している材料は多岐にわたり、アメリカの小学校で使っている教科書や、推理小説、詩、レシピ、シェイクスピアなど。

推理小説は題材としては面白く、生徒の関心を引き付けることができるが、内容が高度であったためどうしても日本語を介在しなくてはならなくなった。ずっと授業をオールイングリッシュで進めてきていたため、ここに来て先生、生徒ともに違和感を感じている。2学期からは日本語を介在しなくても良い素材を選ぶようにしている。

■成果
現在高校3年生が高2の終わりに、センター試験の問題を実際に解かせた。
第3問以降の読解問題は高得点だったが、第2問のような文法問題の得点率は低かった。「読むスキル」は身についているが、細かい文法・語法の知識が見についていないことが分かった。使用していた教材は「読むスキル」を付けさせるためには非常に効果のあるものであったが、上位の生徒にとっては少々語彙などが易しかった感がある。高3では、速読の力を落とさずに、多種のものを読ませながら細部までの読みにこだわった指導を進めている。また入試で出題されるような語彙・文法問題は基本的に家庭学習で補っている。

GTEC for STUDENTS 結果で速読力が130〜140wpmをほぼ達成
⇒速読力の育成に効果的な指導であった

学力層別に見ると2番手集団(入学時オール4ぐらいの生徒)の力をより伸ばすことができた。トップ層の生徒はまだ伸ばしきれていない。

2年次までで90%近い生徒が英検2級合格。おそらく卒業時までに全員合格。

アンケートの結果から、長文を見て嫌と思わなくなった生徒が多いことが分かった。
⇒長文への嫌悪感の払拭

課題としては、2年の2学期あたりから、2極化が発生。

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