VIEW21 SELHi特集号---SELHiデータベース
トップページへ戻る
詳細情報
高校の詳細情報がご覧いただけます。研究テーマの詳細は、各テーマをクリックしてください。「学校提供資料」ボタンがある場合は、クリックしていただくと各高校で実際に使用されている資料がご覧いただけます。

福島県立 橘高等学校


■研究開発課題
リスニング能力の開発をとおして、英語の4技能を総合的に向上させる指導方法についての実践研究
■主要指標
・生徒へのアンケート(学習の仕方、授業への評価、海外研修後の意識調査)
・定期考査(リスニングテストを含む)
・シャドーイング等、リスニング活動における音声記録
・プレゼンテーションの映像記録とスクリプト
・生徒の英語学習カルテ(学習法やパターンの自己評価)
・運営指導員からの外部評価
■補助指標
GTEC for STUDENTS
TOEIC Bridge(1学年)
TOEIC(2・3学年)
英検
■研究内容
1.   効果的なリスニング指導を中心に4技能を総合的に伸ばす指導法の研究 (L)

2. 学習者の意識、学習の仕方が4技能の向上に及ぼす影響についての研究 (RLWS)

3. 海外の協力校との交流と異文化理解

 

2005年度以前 学校提供資料

■研究テーマ
Listening能力育成を軸とした、他技能への波及を目指した取り組み
添付資料1 取り組み概要
■そのテーマを研究しようと考えた背景
これまで、コミュニケーション重視の英語教育に対して、意識的に努力を重ねてきた。しかし、進学校としての性格上、読解力の養成が中心となりがちで、4技能をバランスよく育成する指導までは、実施できなかった。「英語が使える日本人」を育成するには、これまで以上に、「聞く」「話す」の指導に重点をおいた授業が必要である。コミュニケーション力を育むために、その基礎であり、弱点でもあるListening能力を向上させることが先決であると考えた
■当初期待していた成果
必要な背景知識と語彙を持つessay , lecture , news , dialogue を150wpmで、ほぼ完全に理解できるListening力を身につけさせる
■Listening指導により「ワーキングメモリの拡大」「ボトムアップ処理(語彙処理、文法処理)能力の向上」
「トップダウン処理(文脈処理、スキーマ処理)能力の向上」を図りながら、他技能の伸長につなげる。
また、4技能を伸長させる指導の中で、「ボトムアップ処理能力向上」「トップダウン処理能力向上」に配慮することで、更にListening能力を向上させる
■対象クラス、生徒人数
1、2年生全員320名。3年生文系192名
■指導教員、教員人数
日本人英語教諭13名、ALT1名
■指導計画
(1)方針
・生徒のListeningを困難にしている要因に配慮し、指導法を研究する
【配慮すべき要因】
■音素、音変化識別能力の不足 
■語彙の不足 
■文法、構文についての「感覚的要素」の不足 
■背景知識の不足
■英文の論旨展開法についての知識不足
・精聴と多聴の両面に配慮する
【主な指導手法】
■精聴
・スラッシュリーディングを授業の中に多く取り入れて、英語を文頭から理解する習慣をつけさせる
・ディクテーションとシャドウイングを重視する
・週1回、朝の始業前にリスニングテストを課す
■多聴
・昼休みに英語の放送を流す
・Listening教材を宿題として課す
(2)指導方法
・音声に関するトレーニング、・ディクテーションによる指導、
・シャドウイングによる指導、・区切り聞きによる指導、・リピーティングの指導、
・ほぼall Englishで行う授業による指導、・家庭学習における指導、
・presentationの指導
(3)授業での実践(1年生)
・スラッシュリーディング・スラッシュリスニングにより、英文を文頭から理解する
習慣を身につける
・音声重視の指導により、音素・変化・リズム及び文法・語法を感覚として刷り込む
・シャドウイング・ディクテーションにより、身につけた手法を血肉化する

■コンピュータLL(2単位)■英語・(3単位) ■英文法(1単位) 
■OC・(1単位)
添付資料2 平成17年度第1学年シラバス
添付資料3 3年間のシラバス
添付資料4 指導計画
■一連の指導の流れ

(1)指導方法 
・音声に関するトレーニング
穴埋めディクテーションと繰り返しの発話によるトレーニング
■nursery rhymeなどを用い、英語の強勢拍のリズムを体得させる
■市販のテキストで、音の同化、脱落、破裂音などの音変化をを体得させる
・ディクテーションによる指導(ほぼfull-dictation)
語彙や文法構造、背景知識などの様々な言語能力を総合的に用いる活動を促進する
■単語集の例文を活用し、昼休みの5分間でALTの放送によるテストを実施
■コンピュータLLで、毎時間50〜70語程度の英語をディクテーションさせる
・シャドウイングによる指導
英語・:文構造の認識強化
■文単位で実施
コンピュータLL:文構造の体得。文のリズム、アクセント、イントネーションの習
得。音をつかむ力を強化し、最終的に「意味と音」を一体化
■「英文を聞き、Q&Aで内容把握」⇒「ディクテーションにより、音声を全て文字化」⇒
    「読みの難しい部分の練習」⇒「シャドウリーディングによる練習」⇒「シャドウイングの実践」⇒「シャドウイングの録音」⇒「音声の確認し、自己評価シートを作成」
・区切り聞きによる指導
コンピュータLL:文頭から理解することに慣れさせる
■chunkごとに日本語訳を挿入した音声を聞かせる
英語・:スラッシュごとに意味を理解させる
■スラッシュごとに、音声を読み上げる
シャドウイング指導:意味の塊を見抜き、塊ごとに理解させる
■前半は、区切れが入ったスクリプトでシャドウイング
■後半は、区切れを考えさせながらシャドウイング
・リピーティングの指導
■教師による、chunkごとのchorus reading
■pair reading
・ほぼall Englishで行う授業による指導
英語の指示に英語で答える機会をつくることで、ミスを恐れて英語を使うことのためらいを少なくする。理解できない表現が次々に現れることに対する耐性を形成。教員同士が授業について検討、議論する機会を増やす。教員自身の更なる英語力向上への動機づけを行う
■interactive taskにより、Listening、Speakingの機会を増やす
・家庭学習における指導
■NHKラジオ講座新基礎英語3を家庭学習させ、OC・の定期考査にてListeningテストを実施
・presentationの指導
自分の伝えたいことを、英語を用いて伝える力を育成。コンテンツ・スキーマを活性化。Draft作成において、Logic patternを習得。相手の発表を聞き、評価する活動により、聞く力を育成
■Show & Tellにて、Draftの作成と指導⇒presentationと生徒間の相互評価を実施

(2)各授業での実践 
・コンピュータLL(2単位)
■音素・変化・リズム及び文法・語法を感覚として刷り込み、シャドウイング、ディクテーションにより血肉化する
■bottom-upとtop-downを統合した授業を展開する
■スラッシュリスニングにより、英文を文頭から理解していく思考を習慣化する
■LL機器の使用により、生徒がそれぞれのペースで理解を進められる授業を展開する
■シャドウイングやディクテーションのミスを詳細に記録させることで、ミスの傾向や要因を把握させる
・英語・(3単位)
■スラッシュリスニング、スラッシュリーディングにより、英文を文頭から理解していく思考を習慣化する。また、音声指導で音素・変化・リズム及び文法・語法を感覚として刷り込み、シャドウイング、ディクテーションにより血肉化する
■文字を使わず、音声のみで本文の概略をつかませる
■授業を出来るだけ英語だけで進める
■訳読と文法の説明は必要最小限にとどめ(家庭学習プリントに集約し)、授業は口頭(音声)によるQ&Aを中心に行う
・英文法(2単位)
■Listening、Reading能力向上のための基礎となる文法事項を理解し、定着させる
■数多くの文を与えることで、様々な表現方法にふれさせる
■定期的な確認テストで、理解度の低い単元を認識させ、定着を図る
■定期テストの結果を受けて、少人数習熟度別クラス編成を行う
■ 語彙レベルにとらわれずに文構造を理解できるようにする
・OC・(1単位)
■自分の伝えたいことを英語を用いて伝える力(Speaking能力)を習得させる
■学習・体験した一般的な情報を活用するコンテンツ・スキーマの活性化を図る
■Drftの作成過程で、logic patternを身につけさせる
■相手の発表を聞き、評価する過程で、聞く力を身につけさせる
   
添付資料5 授業手順(日本語)

添付資料6 TEACHING PLAN for Lesson6
添付資料7 Lessn6 生徒用ハンドアウト
添付資料8 Lessn6 Listen & Answer
添付資料9-1 Lessn6 Grammatical point

添付資料9-2 Lessn6 Grammatical point
添付資料9-3 Lessn6 Grammatical point
添付資料9-4 Lessn6 Grammatical point
添付資料10 TEACHING PLAN for LL
添付資料11 LL Dictation & Unicorn EI
添付資料12 Dictation blank
添付資料13-1 英語学習カルテ(1学期その1)
添付資料13-2 英語学習カルテ(1学期その2)
添付資料13-3 英語学習カルテ(2学期その1)
添付資料13-4 英語学習カルテ(2学期その2)

■成果
■GTECのListeningスコアの伸び率が、前年度よりも高かった。カリキュラムの中で、前年度と異なる部分はLL演習であることから、この授業が伸び率に貢献している可能性はあるものと思われる
【GTEC Listeningスコアの推移】
2004年度入学生 1年159⇒180 
2003年度入学生 1年168     ⇒2年182
2002年度入学生 1年170     ⇒2年182 ⇒3年178
■それぞれの指導手法や授業実践についての詳細な検証は、17年度末および18年度時
点のデータを元に行う
© Benesse Holdings, Inc. 2014 All rights reserved.
[close]