特集 「多様化」する保護者にどう対応するか

群馬県立桐生女子高校

◎2007年に創立100周年を迎えた伝統校。「高い志と豊かな教養を兼ね備えた社会人を育成する」をスローガンとして、人間性豊かな生徒の育成を目指す。例年高い進学実績を誇る、県を代表する女子校。

設立●1908(明治41)年

形態●全日制/普通科、英語科/女子

生徒数(1学年)●1、2学年約200名、3学年約240名

07年度進路実績●国公立大には、筑波大、千葉大、東京学芸大、群馬大、茨城大、埼玉大 など67名が合格。私立大には、早稲田大、明治大、法政大、中央大、青山学院大、津田塾大、 東京女子大、日本女子大、昭和女子大、立命館大など延べ372名が合格

住所●群馬県桐生市梅田町1-185-1

TEL●0277-32-2182

WEB PAGE●http://www.
kirijo-hs.gsn.ed.jp/


町田 仁

▲群馬県立桐生女子高校

町田 仁

Machida Hitoshi

教職歴29年目。同校赴任7年目。進路指導主事。「どんな話にも対応できる、広い教養を持つ生徒を育てたい」

VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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【実践と課題・1】

群馬県立桐生女子高校

「地区PTA」で進路講演会の出席率向上を図る

学校の方針を保護者に伝える絶好の場となる進路講演会やPTA総会だが、保護者の出席率が低いという学校も少なくない。その対策として、群馬県立桐生女子高校は出前型の進路講演会「地区PTA」を導入、保護者に対して積極的にアプローチしている。

「そこそこ志向」が 保護者の無関心を生む

 PTA総会や進路講演会への保護者の出席率の低さは、多くの学校が抱える悩みだ。桐生女子高校でも出席率は例年3〜4割。保護者に参加を促し、学校の方針や大学入試の現状を理解してもらうことは、大きな課題である。出席率が低い理由は何か。進路指導主事の町田仁先生は、原因は大きく3つあると話す。
 1つは、時間的な問題だ。共働きの家庭が増えていることに加えて、桐生市は自営業の比率が高く、土日に進路講演会を開いても参加できない保護者が多いという事情がある。
 2つめは、進路講演会の内容だ。保護者は、できるだけ自分の子どもの現状や進路に直結する話を聞きたいと思う。しかし、講演会用の資料集めやプレゼンテーションの準備にかかる教師の負担は大きい。そこで、外部の業者に依頼するのだが、そうすると学年の実態や指導の詳細にまでは踏み込めない。受験のノウハウなどの一般論となってしまい、保護者の満足感が得にくいというわけだ。
 それ以上に深刻なのは、町田先生が3つめの理由として挙げる「女子校の特性」だ。
 「保護者と話していてよく耳にするのは、『女の子だから』という枕詞(ことば)です。『女の子だから、それほど難関大でなくてよい』『女の子だから、できるだけ自宅から通える大学がよい』。こうした保護者の意識が、出席率の低さに表れているのでしょう」
 中には「土曜日くらい休ませてあげて」と言う保護者もいる。女子校ならではの「そこそこ志向」が、学校から保護者の関心を遠ざけているのだ。

保護者の傾向

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