特集 「多様化」する保護者にどう対応するか

岡山県立瀬戸高校

◎「尚学・自主・健康・協調」を教育目標とし、個々の学力を最大限に伸ばす習熟度別学習に力を注ぐ。2003年度からサイエンス・パートナーシップ・プロジェクトの指定を受けている(旧サイエンス・パートナーシップ・プログラム事業)。

設立●1909(明治42)年

形態●全日制/普通科(普通コース、理数コース[07年度に募集停止])/共学

生徒数(1学年)●1学年約160名、2、3学年約200名

07年度進路実績●国公立大には大阪大、神戸大、岡山大、香川大など71名が合格。私立大には、関西大、関西学院大、同志社大、立命館大など延べ260人が合格

住所●岡山県岡山市瀬戸町光明谷316-1

TEL●086-952-1031

WEB PAGE●http://www.
seto.okayama-c.ed.jp/


荒江房利

▲岡山県立瀬戸高校

荒江房利

Arae Fusatoshi

教職歴24年目。同校に赴任して5年目。進路指導主事。「勉強だけでなく、人間性を高める教育を追求したい」

山本達也

▲岡山県立瀬戸高校

山本達也

Yamamoto Tatsuya

教職歴23年目。同校に赴任して5年目。進路指導課課長補佐。「可能性を信じ、あきらめない生徒を育てたい」

石原洋一

▲岡山県立瀬戸高校

石原洋一

Ishihara Yoichi

教職歴22年目。同校に赴任して5年目。2学年主任。「いつでも生徒を受け止める愛のある教育を実践したい」

高井基生

▲岡山県立瀬戸高校

高井基生

Takai Motoo

教職歴18年目。同校に赴任して2年目。進路指導課。「生徒が持つ力を最大限に発揮させる教育を心がけたい」

VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
  PAGE 6/18 前ページ  次ページ

【実践と課題・2】

岡山県立瀬戸高校

キャリア教育の視点に立った「土曜日講座」で
進路選択の幅を広げる

生徒の進路選択は、保護者の意向に影響されやすい。しかし、保護者が進路情報を得る機会は少なく、限られた情報によって子どもの進路を狭めてしまうケースもある。岡山県立瀬戸高校は保護者を対象にキャリア教育の機会を設けることで、生徒の進路の可能性を広げ、学校と保護者との信頼感の醸成につなげている。

少ない情報源で進路を 選ばざるをえない保護者

 保護者に対する積極的な情報提供が生徒の可能性を広げるのではないか――。こうした思いから、瀬戸高校は学年ごとに保護者対象の「土曜日講座」を年3回、開催している。
 その背景には、同校の学区が岡山市域から県東部全域までと広く、地理的な条件などから、保護者の間に情報の格差が生じているという課題があった。これが子どもの進路に対する意識にも影響していると、進路指導主事の荒江房利先生は話す。
 「当初は進学先にあまりこだわらないという保護者も少なくありませんでした。また、本人の実力や志望に合わなくても、地元の大学への入学を優先するケースが目立ちました」
 保護者が過去の情報に基づいて、子どもの進路を判断する傾向も見られた。進路指導課の山本達也先生はこう指摘する。
 「大学選びも過去のイメージに左右される傾向が見られました。情報収集に熱心な保護者でも、情報を得られる機会そのものが不足しているために、聞き伝えの情報で判断せざるをえないという問題もありました」
 そうした情報不足が、しばしば本人任せ、学校任せにつながっていると指摘する。山本先生は、「進路は子どもに任せています」という保護者の言葉は、入試の変化が激しくてわかりにくいことの裏返しではないかと分析する。また、その傾向は、職業選びにおいても同じと話す。
 「学校見学や学校案内のイメージだけで進学先を選び、就職にまで考えが及ばない生徒は少なくありません。まして保護者になじみがない職業の場合、的確なアドバイスができず、子どものイメージだけで選んでしまうことがあるのです」(山本先生)

保護者の傾向

  PAGE 6/18 前ページ 次ページ
目次へもどる
高等学校向けトップへ