特集 「多様化」する保護者にどう対応するか

VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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自由記述の学校評価で保護者の意見を積極的に吸収

 一方、保護者の声をすくい上げる施策も打ち出す。杉浦哲也教頭は「保護者の要望は多様化しています。さまざまな手段を用意し、保護者が意見を学校に伝えやすい工夫が大切」と強調する。自校のウェブサイトに「学校への提言ボックス」を、保護者の学校評価には自由記述欄を設けた。保護者用シラバスや学年通信、学級通信、進路講演会などに対しては、約8割の保護者が肯定的な評価をしていたが、自由記述欄にはこれまで見えていなかった課題が寄せられた。
 「シラバスの意味がわからないなど、厳しい意見が書かれていました。しかし、自由記述欄がなければ、こうした不満が表面化することはなかったと思います。保護者とのパイプを強化し、意見や要望を聞くことの大切さを痛感しました」(前田先生)
 取り組みの目標である、大学入試に対する保護者の早期の意識付けについてもまだ道半ばだ。宇山孝人校長は、「最も大切なのは、早期指導・個別指導を徹底して学力を伸ばすことです。そうした生徒の姿を保護者に示すことで、学校に対する信頼感が高まると思います」と話す。学習指導で成果を上げ、それをしっかり伝えることが、保護者の協力を得る最良の方策なのかもしれない。


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