指導変革の軌跡 長崎県立諫早(いさはや)高校「進路観の醸成」
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志望理由の明確化が保護者の意識を変える

 1年次から実施する志望理由書の作成も、CDA学習の重要な取り組みの一つだ(図1)。1年次では、2月に「志望学部・学科の選択理由」「志望学部・学科と絡めて将来、どんな仕事がしたいか」など志望理由を固めるワークシートに取り組んだ上で、3月に書く。2年次では1月に下書きをし、3月に清書して担任に提出する。3年次では、7月と10月に行う志望校検討会の資料として書かせている。1年次から志望理由書を書かせる理由として、「文理選択をする上では、教科の好き嫌いや成績だけではなく、大学の学部や将来の職業を意識させることも大切です」と石山先生は強調する。

【図1】志望理由書(記入例)

図1:志望理由書(記入例)

 

* 志望理由書は生徒の志望を明確にさせると共に、教師間の目線合わせのツールとしても用いられる。レベルの高い志望理由書は見本として下級生に示し、刺激を与える材料にしている。

※各学年の志望理由書は下記からダウンロードできます
■高校1年生用 Wordダウンロード(60KB)
■高校2年生用 Wordダウンロード(57KB)
■高校3年生用 Wordダウンロード(27KB)

  志望理由書は、担任のチェックを数回受け、自分で考えた志望の重みを感じさせるために最後に清書して提出させる。最初はイメージだけで大学・学部を選んでいた生徒も、担任と面談を重ねて書き直すうちに、自分の志望を明確に語れるようになるという。
 「生徒が志望理由を明確に言えるようになると、保護者の意識も変わります。子どもから直接『○○を学ぶためにこの大学に進みたい』『○○になるためにはこの学部がふさわしい』と聞けば、保護者も子どもを応援しようと思うようです」(渡邉先生)
 また、志望理由書があれば、一人ひとりの生徒が1年次から何を考えていたのかが手に取るようにわかる。学年団に新たに教師が加わっても、志望理由書によって目線合わせが効率よくできるようになった。


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