VIEW'S REPORT 生徒指導
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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「目玉づくり」による活性化が一気に加速

 「3年生に東京大に合格できる力のある生徒がいます」
 07年春、上原(かんばら)耕太郎校長が同校に赴任して早々、坂本副校長が相談したときから、学校の活性化が加速した。入学当初から京都大志望を貫いている3年生もいた。
 教師の動きは早かった。4月10日に相談を受けてすぐ校長、副校長の3名で話し合い、その日の11時から3学年長と進路指導主事を集めて戦略会議を開いた。上原校長が生徒の進路実現と学校活性化の方針を打ち出し、今後の段取りを話し合った。12日には、成績上位者を対象にした個別添削指導を行うことを決めた。
 「私は成績上位の数名のみを添削指導するつもりでしたが、鈴木副校長は先進校の事例を引き合いにして『指導対象の生徒を3倍に増やさないと実績は上がらない』と提案されました。そこで、部活動や生徒会でリーダー的な生徒も対象とすることにしました」(寒河江先生)
 17日には東京大・京都大・医学部などを目指す「Aメンバー」8名、東北大などを目指す「Bメンバー」13名を選抜し、学年の枠を超えて教科に担当を割り振り、個別添削指導が始まった。
 「例年、6月からの高校総体が終わらないと『これから受験勉強だ』という雰囲気にならないのですが、4月から動き出せたのがよかったのだと思います」(寒河江先生)
 添削課題は科目によって異なるが、Aメンバーは志望校(東京大・京都大)の過去問題、Bメンバーは東北大の過去問題が中心だった。Bメンバーの数学を担当した伊東浩二先生は「東北大模試などを参考に問題を選びました」と話す。
 実は、東京大に合格した生徒は当初、東北大を志望していた。そこで、上原校長が約2か月かけて説得した。

図1

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