特集 新課程のポイントと高校教育への影響
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新課程が 現場に与える影響

教育課程編成の課題
 新課程は、学校現場にどのような変化をもたらすのでしょうか。
 実務レベルで多くの学校が直面するのは、教育課程編成上の課題です。今回の改訂では、卒業に必要な単位数は現行と同じ「74単位以上」と規定されましたが、教科ごとに見ると科目編成や標準単位数において変更があります(図1)。特に、単位数が増えた科目については、類型の組み方や科目選択の仕方など、教育課程やカリキュラム編成の工夫が必要になります。
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図1
 例えば、「物理Ⅰ・Ⅱ」は現行課程では各3単位でしたが、新課程では「物理基礎」2単位と「物理」4単位になります。現行の「物理Ⅱ」を新課程の「物理」に置き換えた場合、3単位から4単位になりますから、これまで通り1年間で履修させようとすると、授業はかなりハードになります。例えば、2年生で4単位をすべて履修させるのか、あるいは2・3年生で2単位ずつ分けて履修させるのか、生徒の学力や教師の指導体制を踏まえてカリキュラム編成を考えなければなりません。
 また、数学・理科は2010年度から先行実施される予定となっています。先行実施をする理由は、中学校では09年度から数学・理科が先行実施されるため、新課程を中学校で3年間学習した生徒が12年度に高校に入学してくるからです(図2)。ほかの教科が現行課程の状態で、数学と理科のみが前倒しとなるカリキュラムをどのように編成するのかも課題となるでしょう。
 学校によっては、単位数の増加に伴い、非常勤講師も含め教師の手当てを考える必要に迫られる可能性もあります。標準単位数が3単位から4単位になれば、当然授業時間が増加することになるからです。
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図2
注)詳細はP.8図3参照

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