生きたデータの徹底活用 高校生としての学習習慣を新入生に定着させる
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
  PAGE 2/4 前ページ  次ページ
プラス α の指導
データの提示に注意が必要
図1の資料は、卒業生のデータでもよいし、在校生のものでもよい。2年生ならば、1年時のことをまだ覚えている2年生の担任の協力を得るとよい。なお、このデータは、生徒個々に合わせて面談で活用するもの、もしくは学年団が自信を持って指導するための根拠として使いたい。そのまま生徒全体に見せてしまうと、生活習慣が身に付いていなくても成績が伸びているケース(あるいはその逆)を見つけ、それを生活習慣を正さないことの言い訳にしてしまうことがある。
面談では 中学時代のノートも有効
最近の生徒は「勉強の仕方がわからない」と訴えることが多い。場合によっては、ノートの取り方や予習復習の進め方を細かく指導する必要がある。その際、面談で中学時代のノートを持参させると、そこに改善のヒントを見つけることが多い。単に板書を奇麗に写しているだけなのか、教師が言ったことから得た自分なりの気づきもメモしているのかなど、ノートの取り方から垣間見える勉強法を読み取って、どのように改善すればよいか実践可能なアドバイスを与えたい。
「学習→成果」を体感させる
高校生らしい生活習慣の重要性は、そのメリットを体感させることで生徒の内面に根付く。小テストを頻繁に実施し、予習復習の成果をきちんと評価していくなど生徒の納得度を高める工夫を学年で共有したい。生徒が「勉強しなくても何とかなる」といった誤解を持つことがないような学習環境づくりが教師には求められる。小テストの結果を、各自表に記入させ、視覚的に成果がわかるようにするなど、「学習→成果」を体感させることを、特に1学期の間は留意したい。
活用後のフォロー
◎1学期の中間テストのあと、入学当初に目標として掲げたことがどの程度できていたか、生徒個々に確認させる。図1の項目を抜き出して再度チェックさせるとよい。できていた部分をしっかり褒めて達成感を与え、できていなかった部分は、今後どのようにしていくか生徒に考えさせた上で、次の目標を生徒・担任で共有したい。なお、「生活習慣はしっかりしていたのに、成果が出ていない生徒」「ほとんど守れていないのに、成果が出た生徒」には、面談が必要。夏以降の成績動向に影響を与える要因が見つかる場合も多いので、その際には図2の成長モデルを改めて提示してもよいだろう。

  PAGE 2/4 前ページ 次ページ
目次へもどる
高等学校向けトップへ