未来をつくる大学の研究室 「柔らかい物質」の特性を解明し新機能材料開発へ道筋をつける
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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高校生に伝えたいこと
学問の楽しさを味わうことが、進路の可能性を広げる

 私は高校時代から物理が好きで、将来は宇宙物理学の研究者になりたいと考えていました。大学受験時に高校の先生から「趣味と仕事は違う」と言われましたが、初志を貫き物理学科に進みました。しかし、大学でも教授に「宇宙物理学の世界で食べていける人は世界でも一握り。最初から自分の可能性を狭めてどうする」と諭され、最後にまた「趣味と仕事は違う」の一言をいただきました。
 私はいったん宇宙への夢を横に置き、目の前の学業や研究に励みました。大学での学びや経験などを通してさまざまな領域に触れ、次第に宇宙にとどまらない幅広い物理学の魅力に引かれていったのです。物理学の研究者でありながら、化学との分野間の壁にとらわれず横断的な研究を進める素地にもなりました。
 最初に抱いた興味はもちろん大切です。ただ、「自分の将来はこうじゃないといけない」と思った途端に、その人の可能性は極めて小さくなると思います。また、役に立つ・立たないという観点で学問や進路の選択を狭めるのではなく、多様な好奇心を育て、学問そのものの楽しさ、苦労した後の充実感を経験してください。それが、将来の進路の幅を広げることにもつながると思うのです。
写真
写真2 研究室には、ドイツ、アメリカ、中国など海外から訪れる研究員が在籍。研究室内では日常的に英語が飛び交う

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