特集 「大学入試分析」を生かす
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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生徒の人間性に迫ることでより精密な分析が可能に

 学級別検討会では、センター試験の結果と「北高ボーダー」、本人や保護者の希望、個別学力試験の力や性格も考慮しながら、生徒一人ひとりについて検討する。担任と副担任の他に1、2人が加わり、担任が若手教師の場合は、ベテラン教師や赴任歴の長い教師も加わる。学級別検討会の利点は、一人ひとりに時間をじっくりかけて検討できること。進路指導部の広田耕二先生はこう話す。
 「全体検討会では、1人当たりの検討時間は長くても5分。一方、学級単位の検討会では、『本人は工学部志望だが、保護者が医療系を希望している』など、担任しか把握できないような情報を交えながら、一人ひとりの志望について深く掘り下げられます。学級ごとにベテラン教師が配置されるため、若手教師は迷いや悩みを相談して、経験に基づく有意義なアドバイスを得られます」
 ボーダーより下でも、本人の志望や性格、個別学力試験の力などによってはあえて挑戦させることもある。
 「生徒には数字では測れない可能性があります。データだけで判断しようとすると、それを見落としかねません。入試分析にはデータを読む力も大切ですが、データには表れない情報をしっかり読み取ることも欠かせません。普段から生徒と寄り添い、生徒の人間性にまで迫ることで、口に出しては言えないような悩みや希望、隠れた性格まで見えてくるのではないでしょうか」(南先生)

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