指導変革の軌跡 静岡県立静岡高校「初期指導強化」
斎藤隆男

▲静岡県立静岡高校

斎藤隆男

Saito Takao
教職歴28年。同校に赴任して8年目。3学年主任。「生徒と共に、手を取り合いながら歩める学校を築いていきたい」

山﨑裕己

▲静岡県立静岡高校

山﨑裕己

Yamazaki Hiromi
教職歴33年。同校に赴任して5年目。数学科担当。「生徒はやれば必ずできる。生徒の可能性を信じて、粘り強い指導を心掛けたい」

VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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数学主導により生徒の学びへの意識を高める

 「当たり前のことを当たり前にする」という方針を最も徹底したのは数学だ。山﨑先生の主導の下、生徒に負荷をかける指導を貫いた。「先手必勝」とばかりに、入学直後から矢継ぎ早に課題を与え、一途に勉強に打ち込む姿勢を定着させた。回収した課題はすべて、学年の数学科の教師が目を通し、一定レベルに達していない生徒には再提出を課した。単元ごとに行う確認テストは、一定レベル(65%程度)に達していない場合は、たとえほとんど全員であっても追試を行い、要求水準を下げることは決してしない。
 当然、批判はあった。「これだけ数学で課題を出されては、ほかの教科の学習ができなくなる」「管理的な手法では、かえって生徒を駄目にする」。だが、山﨑先生には確信があった。

 「模試などの結果を見ると、本校の課題は数学にありました。しかし、本校の生徒なら、方法次第で必ず成績は上がると思いました。成績が上がって最も喜ぶのは、生徒自身です。最初は苦しくても、生徒はやって良かったと思うはずです。生徒は、数学の学習時間が突出しても他教科をなおざりにすることはありません。むしろ、数学を通して高校の勉強はこういうものであるということを実感し、他教科についても同じように努力しようとするものです」


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