指導変革の軌跡 静岡県立静岡高校「初期指導強化」

VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
  PAGE 5/15 前ページ 次ページ

「進路対策会議」で定期的に他学年の情報を共有

  学年ごとの自発的な改革も促進している。学年主任3人と進路指導課長の福田先生が進路室で「進路対策会議」を隔週で行い、各学年の取り組みの狙いやノウハウを伝え合う。学年の課題について他学年の知恵を借りたり、進路指導課が入手した他校の指導事例や大学情報などを共有したりする。教科指導や進路指導だけではなく、生活指導や不登校などの話題に及ぶこともあるという。
  「普段の会話からでは分からない他学年の実情が垣間見えることも、この会議のメリットです。他の学年はうまくいっているように見えるけれども、結構悩みは多いのだということが分かれば、自分の気持ちも楽になるものです。集まって愚痴を言い合っているうちに、取り組みのヒントが生まれることもあります。2週間に1回というのは、大変な面もありますが、前向きな改革につながるよう、活性化させたいと思います」(斎藤先生)
  コーヒーを飲みながらリラックスした雰囲気の中で、約1時間、本音を言い合う。そうした井戸端会議的なスタンスが、08年度に始めてから形骸化することなく続いてきた秘訣でもあるようだ。09年度からは教務課長も加えて、学習指導要領に伴う教育課程の改編について話し合う場にもなっている。 
  「今、行っている改革は、すべて挑戦です」
  福田先生はそう話す。県内屈指の伝統校が、挑戦者として変革に挑み続けた2年半。回り始めた改革の歯車は、今後も止まることはないだろう。

*今回のテーマに関連する過去の記事:

→ 2008年度 2008年10月号

指導変革の軌跡:茨城県立古河第三高校「進学校への再起」

→ 2007年度 2007年12月号

指導変革の軌跡:秋田県立能代高校「進路指導」


  PAGE 5/15 前ページ 次ページ
目次へもどる
高等学校向けトップへ