指導変革の軌跡 千葉県立姉崎高校
千葉県立姉崎高校

千葉県立姉崎高校

◎「高い知性」「豊かな徳性」「健全な身体」が校訓。生徒一人ひとりが夢や目標を持ち、学習することの楽しさ、大切さ、素晴らしさを再発見する学校を目指す。2003年度に千葉県の「自己啓発指導重点校」の指定を受ける。徹底した生徒指導ときめ細かな学習指導を両輪とする改革で、学校再生を果たした。

設立●1978(昭和53)年

形態●全日制/普通科/共学

生徒数(1学年)●約160名

08年度進路実績●4年制大には、東京情報大、城西国際大、帝京平成大、東京成徳大、清和大、和洋女子大など延べ10人が合格。短大は3人、専門学校は28人が合格。就職者は、民間企業56人、公務員1人。

住所●〒299-0111 千葉県市原市姉崎2632

TEL●0436-62-0601

WEB PAGE●http://www.
chiba-c.ed.jp/anesaki-h/


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指導変革の軌跡126


千葉県立姉崎高校 「学校再生」

小学校段階から始める「学び直し教材」で
生徒の学ぶ意欲が育つ

変革のステップ
背景(STEP1)
実践(STEP2)
成果(STEP3)
◎少子化と志願者の市外流出で受験者数が減少。生徒の問題行動が頻発し、地域の信頼は低下。退学者が年間100人を超える
◎徹底した生徒指導と基礎基本の習得を目指す「マルチベーシック」による学習指導で、生徒の規範意識と学習意欲を育む
◎生徒の問題行動がなくなり、志願倍率は2倍に。生徒の意欲も向上し、更に上の進学先を目指すようになる

志願者数の減少と共に生徒の問題行動が恒常化

 校門から昇降口に至る通路の花壇には、生徒が植えた花が咲き誇り、教室や廊下は整然として、ゴミ一つ落ちていない。生徒の服装や頭髪には清潔感があり、校外からの訪問者にもあいさつを欠かさない。教室では、生徒が私語や居眠りをせず、真剣にプリント課題に向かう――。 「3年前には考えられなかった光景」と、千葉県立姉崎高校の教師は口をそろえる。年間100人余りの退学者を出し、「県内一荒れた学校」といわれていただけに、教師の感慨はひとしおだ。
 同校は、市原市の人口増加に対応して、約30年前に開校した。1980年代半ばには、全校で30クラスの大規模校へと拡大。陸上部や書道部などが全国大会に出場、進学面でも国公立大や難関私立大の合格者が輩出するまでになった。
 生徒増を追い風に発展を続けた同校だが、少子化の影響を受け、その後、成長に陰りが見え始める。隣接する千葉地区や木更津地区の高校が人気を集める一方で、同校の志願者は次第に減っていった。それに伴い、目立つようになったのが、生徒の問題行動だった。頭髪や服装は乱れ、校舎にはゴミが散乱、始業のチャイムが鳴っても教室に入らず廊下で騒ぎ続けていた。登下校中の喫煙や最寄り駅での座り込みにより、地域住民とのトラブルも絶えず、連日のように苦情が寄せられた。地域からの信頼は失われ、2003・04年度と連続で定員割れとなった。

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