指導変革の軌跡 千葉県立姉崎高校
VIEW21[高校版] 先生方とともに考える 新しい進路指導のパートナー
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1学級3人のTTで手厚い「学び直し」の授業を実施

 指導の二つ目の柱は、学校設定教科「マルチベーシック」による手厚い学習指導だ。教科ごとにプリントを作り、生徒個々が自分のペースで取り組む授業だ。プリントには小・中学校段階の問題も出し、反復練習による基礎学力の定着を図った。進路指導主事の米山茂先生は、「学び直し」を取り入れた狙いを次のように話す。    
 「多くの生徒が基礎学力に乏しく、授業に集中できる時間も15分程度。学習で褒められたり、達成感を味わったりした経験もほとんどありません。こうした生徒には『自分にもできた』『やって良かった』という達成感が必要なので、小学校の内容から学び直して、高校に必要な基礎学力を定着させ、生徒の学ぶ意欲を高めようとした、と聞いています」
 対象は1〜3年生の全生徒。英・国・地歴・公民が週1時間、数・理は隔週で1時間実施する。授業は1学級につき3人の教師が担当し(教科担当2人、学習態度の注意・評価担当1人)、課題プリントに取り組む生徒を個別に支援する。「自己啓発指導重点校」に指定され、5人の教師が加配されたため、手厚い指導が可能となったという側面もある。授業態度を改善させるための指導については、人事交流で着任した中学校のベテラン教師が大きな役割を果たすなど、人的資源を生かした指導体制を整えた。
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図1 学習診断カルテ(生徒用)

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