生きたデータの徹底活用 1年生秋の中だるみ対策と「第一歩」としての文理選択
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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プラス α の指導
「書く」「述べる」ことで当たり前のことを自覚させる
HRなどで、年度当初の学年やクラスの目標、担任が日頃から口を酸っぱくして伝えていることを、生徒に書かせたり、発表させたりしてみる。家庭学習や提出物に関すること、掃除に関することなど、テーマを挙げて誘導してもよい。「今更?」と感じる生徒もいるだろうが、普段から繰り返し訴えていることだからこそ、改めて生徒自身に書かせたり、述べさせたりすることで新鮮さをもって浸透していくはずだ。目標として掲示している場合は、掲示物を作り直してもよいだろう。
クラスを団結させることで、学校に目を向けさせる
生徒一人ひとりがいち早く夏休み気分から抜け出し、学校での時間を大切にするようになれば、自ずと日々の生活に張りが出て、授業に集中し、部活や学習もしっかりやるようになる。そのためにも、クラスで1つのことに向けて団結する雰囲気をつくっていくことが重要だ。学校行事はもちろん、学習時間調査や定期考査、模試へ向けた学習などをクラス単位で競わせたりするのも一案だ。事あるごとに、担任が「うちのクラスは」と強調し、「団結することの重要性」を訴求していきたい。
厳しく指導しながら、 褒めるべき点は褒める
夏休み後、生徒が再び高校生活のリズムを取り戻すまでは、緩んだ気持ちを引き締め、高校生として当たり前のことができるように、あえて厳しい姿勢で指導に当たることが求められるだろう。しかしその一方で、生徒の内面に見逃せない変化が起こっていないか、生徒の表情などを細かく見ていくことが必要だ。同時に、生徒が努力して改善したこと、頑張っていることなどがあれば、積極的に褒めることを忘れないようにしたい。生徒の「褒めるべき点」を学年団で共有してもよい。
活用後のフォロー
◎生活・学習面で当たり前のことを当たり前にできているかは、折に触れてチェックをしていくことが非常に重要。今回、指導を徹底したことができているかどうかは、冬休み前には再確認したい。いずれの時期でも、生徒にただチェックさせるだけではなく、なぜ決められたことができないのか、どうすればできるようになるのか、面談などで個別に話し合うことが必要だ。また、同様に学年団などでも「当たり前のことを守らせているか」をその都度確認する。今回のヒアリングで、ある教師が「生徒があきらめる時は、教師もあきらめている」と語っていた。まず、教師自身があきらめないようにしたい。

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