生きたデータの徹底活用 1年生秋の中だるみ対策と「第一歩」としての文理選択
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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プラス α の指導
11月模試で自分を試し、文理選択に生かす
「理系に行きたいが数学が苦手なので自信がない」という生徒は必ずいるものである。このような生徒から相談を受けた場合、教師としてもどうすべきか、簡単には答えは出ない。そこで11月の模試を利用する。「模試までの2か月、一生懸命勉強してみて、これからも数学を頑張れそうか、自分を試してみないか」と話してみる。良い成績が出れば自信になるし、結果が出なくても勉強のリズムができれば理系に進む気持ちが高まる。たとえ文系を選んでも、生徒自身が納得できるはずだ。
教科ごとの 学習時間を提示する
生徒が文理選択で迷う理由の1つに、文系・理系それぞれの高校生活がイメージできないということがある。そこで文系理系それぞれの2、3年生の時間割や家庭学習時間の例を生徒に提示する。今後、どの教科にどのくらい時間をかけて勉強する必要があるのかがイメージできるはずだ。これからの2年間の高校生活を想像してみることで、自分に文理どちらが合っているかを判断する材料の1つになるだろう。同時に、部活動の先輩などに直接話を聞いてみることも勧めたい。
「自己決定」の重要性を 人生の先輩として教師が語る
人生は自己決定の連続であり、文理選択はその第一歩であることを生徒にしっかりと理解させたい。その上で、自分の決定に対して責任を持つことは大切だが、今の志望や目標に固執しすぎることも可能性を狭めてしまうこと、将来について柔軟に考えることが大切であることを伝えたい。教師自身が、自分の進路選択の紆余曲折、価値観の変化などを語ることが重要。モデルケース的な生き方が求められるわけではなく、そもそも人は迷い、悩みながら生きていくことも伝えていきたい。
活用後のフォロー
◎進路希望調査や文理選択のために、生徒は大学や学部・学科、職業などについていろいろと調べるだろう。だが、そういった進路学習の成果は、文理選択だけのためにあるわけではない。今後の科目選択や大学選択など、高校生活での進路選択の基礎となるものなのだ。生徒自身が、進路選択の流れと、自己実現のプロセスを連続性をもってとらえ、その上で文理選択に臨むことが重要だ。文理選択の前後で、進路学習のスケジュールを生徒に周知すること、また文理選択後に文系理系それぞれの授業への期待感を高めることなどが求められる。2年生の進路学習や学習の様子などを折に触れて紹介したい。
今回のテーマと関連する過去のバックナンバーも併せてご活用ください!
●2007年9月号 「1年生夏休み明けの意識付け
●2008年10月号 「1年生2学期の成績層別面談指導

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