生きたデータの徹底活用 「3年生0学期」の教師の姿勢、生徒への意識付け
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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プラス α の指導
指導の目線合わせ資料で共通認識を持つ
2年生3月までの約5か月間。それぞれの時期にどのような指導がポイントになるか。指導シラバス(下記からExcel表がダウンロードできます)などを学年団で共有すれば、共通認識を持って、指導に当たれるだろう。特に、「指導の時間が確保しにくくなる3月までに、できる限り自主的な学習習慣を定着させていく」「家庭学習のプランニングを3教科から5教科へと意識転換させる」などの重要テーマについては、学年共通で取り組む課題という認識を持って一貫性のある指導を行いたい。
■指導シラバスExcelダウンロード(33KB)
 
進路検討会などで、生徒個別の状況も共有する
クラスごとの現状を分析し、学年で共有することは重要だが、もう一歩進めて、生徒個々の学力や学習状況、志望校などを学年全体で共有すれば、更に学年としての団結力が強まるだろう。もちろん、多忙な時期に生徒全員について検討していく時間がなかなか確保できないこともある。その場合、各クラスで気になる生徒だけでもピックアップし、今後の指導を検討していく。高3進級前のこの時期に、「学年全体で生徒を見ていく」という雰囲気を教師間に醸成することが重要だ。
学年集会で 生徒にフィードバック
前頁で紹介した2つのデータは、いずれも「教師間の共有」を目的としており、生徒にそのまま見せると、生徒は各クラスの成績を「競争」という観点でしか見ないおそれがある。データから読み取れる特性を生徒にフィードバックする際は、学年集会などで「学習時間の増減は成績の変動に一致する」「授業前の着席が徹底できているクラス、遅刻欠席の少ないクラスは学習状況も良い」など、クラスの特徴、エピソードを交えながら生徒の納得度を高めたい。
活用後のフォロー
◎クラス特性を分析し、学習状況の課題を洗い出した後は、学年の今後の指導の方向性を検討することになる。その際は、「この時期には学習時間を記録させ、量への意識付けを図る」「1月、2月の学年集会では、大学入試のトピックを紹介して意識を高める」など、できるだけ具体的な実行項目を挙げていきたい。3月の春休み前までに、学習時間などをどのように伸ばすか、具体的な数値目標を立てて学年で共有してもよいだろう。3年生0学期は、無策のままでは「中だるみの2年生3学期」に陥ってしまう。その危険性を教師が常に意識し、現状をチェックしていく仕組みが必要だ。

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