調査データから探る指導のヒント 自分で選んだ学問でも積極的に卒論に取り組むのは約5割
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調査データから探る指導のヒント vol.5

自分で選んだ学問でも積極的に卒論に取り組むのは約5割

ベネッセ教育研究開発センター「大学生の学習・生活実態調査報告書」より
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図:大学での授業への取り組み

出典◎『大学生の学習・生活実態調査報告書』/調査時期◎2008年10月/調査方法◎インターネット調査/調査対象◎18〜24歳の大学1〜4年生(ただし、留学生、社会人経験者を除く)/有効回答数◎4,070人

大学で予習・復習をするのは約3割

 高校では生徒に主体的な学習姿勢を身に付けさせる指導に力を入れているが、大学生はどのような状況なのか。は、大学生に授業への取り組みについて尋ねた結果だ。
 『授業に必要な教科書、資料、ノートなどを毎回持参する』『授業に遅刻しないようにする』など、授業への基本的な姿勢に関する項目は上位にあり、多くの学生が授業をまじめに受けているようだ。ところが、『授業でわからなかったことは、自分で調べる』『授業とは関係なく、興味をもったことについて自主的に勉強する』など、授業外で自主的に勉強する項目にあてはまると答えたのは6割台。高校では予習・復習指導をしている学校が多い状況の中で、大学で予習・復習をする学生は3割程度にとどまった。これらの結果から見ると、まじめに学習する学生は多いが、積極的に自主的な学習までする学生は少ないようだ。

大学生になっても受け身的な学習態度

 高校現場からは『卒業論文や卒業研究に積極的に取り組む』が5割にも満たないという状況に疑問の声があった。「卒業論文や卒業研究は、大学で学んだ証しである。自分で勉強したいと思って選んだ学問にもかかわらず、積極的に取り組めない状況は問題に感じる」という指摘だ。
 同様に、大学生になっても受け身的な学習姿勢であることを問題視する声もある。それは、『クラス全員の前で、積極的に質問や発言をする』が約2割、『授業でわからなかったことを先生に質問する』が3割強であることに注目し、「高校でも、発言したり教師に質問したりする生徒は少ない。しかし、そういう生徒は第1志望校に進学する確率は高い。質問を誘発するような授業を心掛けるなど、積極的な学習姿勢を身に付けさせる指導に、引き続き力を入れたいと思う」というものだ。

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