生きたデータの徹底活用 「2年生0学期」を見通した1年生2月までの学習習慣の定着
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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プラス α の指導
教師の高校時代や当時の勉強法を語る
学校として「本校の生徒にはこれを望む」という基本的な学習方法を提示することは大切だ。しかし、必ずしもすべての生徒がその通りにできるというわけではないのが現実だ。だからこそ、他の生徒や先輩の学習法を紹介したり、更に教師自身が高校時代に実施していた学習法を紹介したりするなど、さまざまな観点からの勉強のやり方を知らせることが重要だ。1年生のうちに、いろいろな勉強法を試し、自分なりのスタイルを考えさせたい。
学習計画、学習記録を活用する
直近の模試や期末テストに向けて、学習計画を立てさせ、その結果を記録することをこの時期に経験させる。1日の生活の中で、「学校(授業)」「部活動」「通学」などを除いた可処分時間がどのくらいあるかを把握させることも大切だ。1日の時間の流れを俯瞰させて、それぞれを充実させることが重要だということを伝える。規則正しい生活やちょっとした空き時間の活用などへのスタートとしたい。学習記録を基に、生徒同士で、時間の使い方を議論しても良いだろう。
12月にアンケートを実施し、生徒の現状を把握
「学習時間」「模試の成績」「生活習慣」「悩み」「入学してから悔しかったこと」「学習意欲が高まった出来事・声掛け」「効果的な学習法」「来年の目標」などの項目で、12月中にアンケートを実施したい。これは集団特性の把握よりも、生徒個々の把握と生徒自身の気付きを促す取り組みだ。冬休みにしっかり学習させるためにも生徒と教師が現状把握をし、各生徒の指導すべきポイントを絞り込む。一見大きな問題がなさそうな中位層を、放っておくことなく声掛けをする材料にもなる。
活用後のフォロー
◎さまざまな観点からの学習の仕方を生徒に紹介することと並行して、「予習、授業、復習という学習サイクルが基本」「教科書の内容を定着させることが重要」「3点固定(起床時間、学習開始時間、就寝時間を毎日同じにする)の学習スタイルが大切」など、学習習慣の土台となる考え方は、生徒に繰り返し伝えたい。塾などで教えられたテクニックに安易に走る生徒がいないかにも気を付けておくことが重要だ。今後、生徒にはまだ軌道修正のチャンスは残されているので、「自分なりの学習スタイルを見付けるために、試行錯誤していい時期だよ」と生徒に伝え、教師側も粘り強く指導を続けたい。
今回のテーマと関連する過去のバックナンバーも併せてご活用ください!
●2006年12月号 「1年生冬休み前の意識付け
●2009年2月号 「1年生春休み前後の学習意識の向上

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