大学生の学習・生活実態調査報告書
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高校での学習時間

 高校1・2年生のときの平日の学校外の学習時間は「ほとんどしなかった」が29.9%と最も多く、「1時間」までを含めると63.5%であり、高校1・2年生のときにほとんど勉強時間を確保していなかったことが確認できる。しかし出身高校種別の「私立・中高一貫」や学部系統別の「保健その他」「教育」では、高校1・2年生段階から学習時間を確保していた傾向がみられる。

Q
高校1・2年生のとき、平日に学校での授業以外で、1日平均で何時間くらい勉強していましたか。学習塾や予備校、家庭教師について勉強する時間も含めてください。
 高校1・2年生のときの平日の学校以外での学習時間を図1-1-8に示した。全体では「ほとんどしなかった」が29.9%と最も多く、「1時間」までを含めると63.5%であり、高校1・2年生のときにほとんど勉強時間を確保していなかったことが確認できる。なお今回の調査結果は「大学進学」した高校生の傾向であって、高校生全体の傾向を示したものではないことに留意する必要がある。
図1−1−8 高校1・2年生での平日の学習時間(全体)
 次に出身高校種別での結果を表1-1-12に示した。サンプル数の多い「公立・3年制」「私立・3年制」「私立・中高一貫」でみると、平均での学習時間は「私立・中高一貫」(79.3分)>「私立・3年制」(64.6分)>「公立・3年制」(63.6分)であり、「私立・中高一貫」で多い結果となった。また「ほとんどしなかった」から「1時間」までの合計をみると、「公立・3年制」(65.6%)、「私立・3年制」(65.7%)、「私立・中高一貫」(56.1%)であり、「私立・中高一貫」での比率が「公立・3年制」「私立・3年制」に比べ10ポイント程度少なく、出身高校が「私立・中高一貫」の大学生は高校1・2年生のときに比較的勉強時間を確保していたことが確認できる。
表1−1−12 高校1・2年生での平日の学習時間(全体・出身高校種別)
 つづいて学部系統別での結果を表1-1-13に示したが、平均での学習時間は「保健その他」が82.9分と全体と比べ15.6分多く、一方で「社会科学」で61.0分と全体と比べ6.3分少ない結果となった。また「ほとんどしなかった」から「1時間」までの合計をみると、「保健その他」で52.7%、「教育」で53.2%と全体の63.5%に比べ10ポイント以上少ない。「保健その他」には医学部、歯学部などの入試難易度の高い学部が含まれているため、高校1・2年生の段階から勉強時間を確保していた大学生が多いことがうかがえる。また「保健その他」「教育」の大学生では、大学進学を意識し始めた時期をみると、「中学生以前」から「高校1年生の頃」までの合計比率が全体の41.4%に対して、「保健その他」で51.6%、「教育」で52.5%と10ポイント以上高いこと*1からも、高校の早い段階で大学進学を意識していたことが高校1・2年生の段階からの学習時間の確保につながったと推測される。
  • *1 第1章第2節「大学進学を意識し始めた時期・受験対策を始めた時期」(表1−2−1)を参照。
表1−1−13 高校1・2年生での平日の学習時間(全体・学部系統別)
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